80話 強い恨み2 ページ35
事の発端は、私が一人で本丸を歩いていたからだ。
偶然、鶴丸国永に見つかってしまいこの状況だ。
「ほぅ、此奴がお主の言っていた審神者か」
その人は、狐のような人だった。
「ああ、そうだ。此奴を殺したら俺達は自由だ」
ああ、、、この人達には『自由』があるんだ。
私には『自由』がない。羨ましいな。
「だが、中にはこの審神者がいなければ実態を保てない奴もいるぞ」
「なら、ここに一生閉じ込めるだけさ。まぁ、飯ぐらいは食わせてやる」
そして、その襖は閉じられた。
ーー
人間を捕らえたのはいいんだが、そいつは飯を食べない。
手を付けないのだ。
そして、気のせいならば良いのだが、子供の手首に黒い痣が出来ていた。
きっと鶴丸が何かしたんだろう。
特に気を止めることは無かった。
ーー
あぁ、暗い、寒い、痛い。
いつまで耐えれば良いのだろうか？
彼等が笑うまで？
私は、ここで一生笑わずあの時のような日常に戻れば良いのだろうか？
私は、やっぱり、、要らない人間だ。
『カワイソウな子。ツライ？イタイ？ナラ、ぼクに身をユダネナヨ。ソシタラ、苦しくナイヨ？』
この黒い澱みに身を委ねれば楽になれるかな？
『ナレルヨ』
なら、もういっそ、委ねてしまおう。
ーー
鶴丸は、またご飯に手を付けていない葵を見た。
そして、目を見開いた。
黒い痣が身体中に出来ていたからだ。
「おい、、、なんだこれは？」
触れようとした瞬間、葵が顔を上げ鶴丸を見ていた。
「まさか、君、、、闇堕ちしてるのか」
葵の目は、赤く染まり闇堕ちを意味していた。
貴女「もう、、、嫌だ」
そう言った瞬間、晴れていた空はドス黒い雲に覆われた。
そして、葵がいる部屋に瘴気が溢れる。
刀剣にしても、人間にしても余り良いものではない。
ドタドタと、慌ただしく部屋に来たのは石切丸とにっかり青江だった。
「禍々しい気だ。でも、この気配は、、、」
「主、、だよね」
青江は、驚愕していた。
石切丸は、鶴丸に怒鳴った。
「鶴丸！主に何をしたっ‼」
「っ、、、閉じ込めていた」
騒ぎを聞きつけて、他の刀剣達も集まる。
貴女「もう、、嫌だ」
すると、瘴気がまた濃くなる。
「主、何が嫌なの？」
清光は、葵に尋ねるが返答はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんず - 面白い！次はどんなことが起こるのかとワクワクして読んでた！次はどの作品を読もう(〜μ〜)ﾆﾀ~ (2018年2月24日 18時) (
レス) id: 1ec0694cdc (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 胡琴さん» ありがとうございます！ (2018年1月21日 20時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
胡琴(プロフ) - とても素晴らしくて、涙か出てきました！これからも頑張ってください！応援しております！ (2018年1月21日 19時) (レス) id: 2d6f9d92ab (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 桜葉さん» ありがとうございます！応援してくださりとても嬉しいです！ (2017年12月28日 16時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
桜葉 - お疲れ様でした！すごく面白かったです！私も応援していますのでこれからも頑張ってください！お身体ご自愛くださいね！！ (2017年12月28日 15時) (レス) id: 04b0e397f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒狗
| 作成日時：2017年10月4日 21時
