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自覚した瞬間、ぶわりと強烈な何かが全身を駆け抜けて、視界が急速に色付き始める。司がまるでスポットライトでも浴びているかのようにきらきらと眩しく見えた。
今の今まで、気付かずにいて、きっとこれからも触れることなかったはずだったそれが、溢れて、止まらない。早く止めろと思うのに、肝心な方法がわからない。
なんだコイツ。なんだコイツ。人の心を散々掻き回しておいて、荒らしておいて、懐柔しておいて、まだ足りないのか。それだけじゃ飽き足らず、今度は初恋まで攫いにきたのか。
攫われてしまうのか。俺の初恋。そんなに容易く持っていかれてしまうのか。
でもしょうがないのかもしれない。許してほしい。不可抗力だ。引き止めることなんてできない。だって彼はこんなに輝いているんだから！
「それで、どうだ？ 一流のキューピッドさん。オレの恋、叶いそうか？」
「さぁ……どうだろう、わかんないや」
「……都合よく、解釈するぞ」
「すればいい」
あぁでも、少し気に食わないかもしれない。こんな、変人で声がデカくてショーバカでシスコンの野郎に堕ちたなんて。司の癖に。
火照った頬が冷えた風に沁みる。目元が濡れているように感じるのは多分気のせいだろう。
気に食わない。だから、少し仕返しをしてやろう。
「まぁ、俺は海星だからなぁ、
「……ふっ、はははっ、確かにその通りかもな！」
背中に回った腕に力がこもる。ちょっと苦しいけど、なんだか心地良くって、黙ったままでいる。
「A」
「なんだ」
「好き、だった。ずっと前から、好きで」
「……うん」
「返事、聞かせてくれるか？」
「さっきので割と精一杯なんだけど」
「もっと直接的な言葉が欲しい」
「我儘だな」
「我儘なオレは嫌いか？」
「……ばーか」
嫌いじゃないから、困ってるんだろ。
観念した、そう笑って、お望み通りの言葉をくれてやろうと口を開――
ドカーーン！！！
「うわぁっ！？」
あまりにもこの場に相応しくない豪快な爆発音に思わず飛び上がって驚く。
え、まさかとは思うけどコイツこんな大事な時に爆弾でも背負って来たの？？ 嘘でしょ？？
「ええいそんな目で見るな！ オレも知らんぞこれは！」
「いやお前しかいないだろ！ 最悪だよお前、お前、最悪だな！！」
「二回も言うんじゃない傷付くだろう！！！」
ちょっと考えなおそうかな、流石に爆発で祝う彼氏は嫌かもしれない。
「……ん？」
「紙吹雪？ 何故空から……。……――〜〜ッッ！！？？」
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