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「え？ えぇ、まぁ、はい……？」
今コイツ自画自賛したな？？？
目を丸くして男を凝視する。ソイツは「未来のスターであるオレが主演だからな」などと随分デカい独り言を言っていた。なんとも自信がありそうな眼差し。先程の疑念が綺麗さっぱり吹き飛ばされた。
まさか、この未来のスター(？)とほざいてるコイツが、
「まぁオレが毎時毎分毎秒輝いているのは当然としてだ。今回は寧々、彼女の演技が一際光っていたと思わないか？」
急に同意を求められる。
ねね？ ねね、ネネ……あぁ、さっき歌姫を演っていた女子か。ついさっき味わった感覚を押し込んで平常を保つ。
「そう、ですね」
「オレ達役者も、もちろん観客も、皆が笑顔になれるショーだった」
「はぁ」
訳がわからない。意図も読めない。なんでオレはキャストと感想を言い合っているんだ？
「しかし――笑顔にできなかった人も、いた」
どきりとして、視線を男に合わせる。彼は真っ直ぐな瞳でこちらを見ていた。金色に夕陽が反射する。
「……俺の事、ですか」
「お前以外にいるか？」
「あはは……」
居た堪れなくなって視線を外す。
ショーは、素晴らしかった。あの二人の話を聞いていなかったらプロなのではと思っていただろう。それ程までに完成されていた。
ただ……俺に、合わなかっただけ。
「その、なんか、ごめんなさい。……俺帰ります。あ、ショー、ほんとに面白かったっす。あー、なんだ、お疲れ様っした？」
「……あぁ。こちらこそ、今日はワンダーステージへ足を運んでいただき感謝する。引き続き園内をを楽しんでくれ」
まだ何か言いたそうにしているソイツは寂しそうに笑った。ここに留まる理由もないので、帰路に着く。陽が落ちる速度というのは矢のようで、空はもう夜色だった。
ポケットの中のスマホが低く唸った。
「ん……あぁなんだ、お前らか」
事もなさげに呟く。家まで後少し。心配性なのは今も昔も変わらない。
「残念だが、お前が望むようなものは何も得られなかったぜ。ま分かっちゃいたがな」
『え〜っ、うそ〜っ！？ あーぁ、今度こそって、思ってたのに〜！！』
『ほら、言っただろう？ Aちゃんも疲れてるだろうから、今日は我慢』
「すまん、そういう事だ。続きは後でな」
『は〜い……』
フッとスマホが暗くなる。それを再びポケットに押し込んで、ため息を一つ。
期待外れだと思っている自分からは、目を逸らしておくことにした。
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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (
レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶（？）みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です！！お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます！！ (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです！応援してます！ (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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