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「おや、寧々にAくん。一緒に来たのかい？」
「うん、たまたま入口でばったり」
「そんなとこだな。神代は何してたんだ？」
ついたステージの端っこに腰掛けた神代は様々な小型の機械に囲まれていた。あれ全部が自作だと言うのだから末恐ろしい。
彼は俺の言葉を受けてかちゃかちゃとドライバーを弄る手を止めた。
「少し早く来てしまって暇だったからね、ドローン達のメンテナンスをしていたんだ」
「はへぇ〜。見上げた演出家魂だな」
「ふふ、お褒めに与り光栄だよ」
「っと、こうしちゃいられねぇな。俺裏で最終確認してくる」
「じゃあ私も、始まる前に喉、温めておこうかな」
雑談もそこそこにして、自分の持ち場、舞台裏に回る。昨日片付けた位置のままに、演出器具達は静かに開園を待っていた。
俺が、コイツらを十分に活躍させてやるんだ。俺が、コイツらで、天馬達を照らすんだ。
俺が、俺が……。
……出来損ないのお前がそんなこと、できるのか？
「はぁぁ……情けねぇ……」
周りの目が無くなった途端に身体中の力が抜け、その場にへたるように座り込む。
大舞台に関わるのはいつぶりか、あの時はむしろ心地よかったプレッシャーが今は重い鉛となって俺の上にのしかかる。胃の中がぐるぐるして気持ち悪い。
ふいにポケットの中にしまっていたスマホが震えた。高い声が再生される。
『あれれ、真っ暗だー？ おーい、Aちゃーん！ 聞こえてる〜？』
「は！？ っおい、少しは声を落とせ！」
『あっ、そうだったね、ごめーん！』
「ったくよぉ……今は勘弁してくれ、ミク」
慌ててスマホを取り出し、口に指を当てて静かにするよう促す。
半透明なホログラムとなって現れたミクはころころと表情を変えて忙しない。
『ごめんね、Aちゃん。止めたんだけど、ミクったら、君を見送るんだって聞かなくて……』
「カイト……いや、いいんだ。別に何もしてなかったし」
『それならいいんだけど』
そう言ってから、機材を見てはしゃぎ回るミクを見守りながら、彼は遠慮がちに「大丈夫？」と聞いてきた。
『君とってこういうのは初めてじゃないだろうけど、なんだか表情が固かったから』
「あはは……。恥ずかしいぜ、こんな歳になってまで……」
そこまで言うと、表の方から天馬がよく通る声で「全員集合！」と呼びかけるのが耳に入った。
『あっ、司くんだ！ じゃあ、もうすぐ開演だね！』
『そろそろ戻るよ、ミク』
『はーい！』
現れた時と同じくらい急に、二人は姿を消した。全く自由気ままな奴らだぜ。
……そういえば、なんで天馬のこと知ってんだ？
「まいっか。おう、今行くー！」
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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (
レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶（？）みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です！！お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます！！ (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです！応援してます！ (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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