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「そうだ、A。これから類と近くの店で脚本の打ち合わせをするんだが、お前も来るか？ 早めに内容を頭に入れておいた方が楽だろう」
「あー……」
空をちょっと見て、それからスマホを見る。もう午後5時を過ぎようとしている。
彼の好意はありがたいが、ここは辞退するしかなさそうだ。
「せっかく誘ってくれたのに悪い、俺この後用事があるんだ」
「そうか……それなら仕方ないな」
うわ、そんな捨て犬みたいな顔しないでくれこっちが余計申し訳なくなるだろ。
ぐっと堪えて、代わりに一冊脚本をもらう。ただでさえ俺は遅れているのだから、死ぬ気で練習するしかないな。家にいる時の暇つぶしができてラッキーだ。
「寧々とえむは帰らないのか？」
「あ、私達は少しここで自主練して帰る」
「Aちゃん、次はばびゅーん！！ キラキラー！！ ってする方法教えてあげる！」
「ふはっ、なんだそれ。面白そうじゃん」
俺だけ先に抜けるのは少し心苦しいが、仕方がないことだ。一足先に失礼させてもらおう。
「じゃ、俺はこれで。次の練習は明後日だよな」
「ああ。気をつけて帰るんだぞ！」
「わかってるって。お前俺の母親かよ」
全員が一斉に天馬に見て、そして吹き出す。当の本人は大声で「違うが！？」と叫んでいる。
ああ、帰りたくない。
そんな俺の気持ちを知って知らずか、それでも時間は無慈悲に進んでいく。これ以上は流石にまずいか。
彼らの笑い声に後ろ髪を引かれつつ。俺は帰路に着くのだった。
☆
「おかえり。今日も遅かったけど、何してたの？」
「友達と、試験勉強。テスト近いから」
「そう、頑張ってね」
帰りがてら適当に考えた嘘をいとも容易く信じ込んだ母はああ忙しい、と何やら書類をまとめている。
ちらりと目をやると、そこには沢山の名前が書かれたリストだとか、時間割だとか、様々な楽器のスコアだとかがあった。
「またオーケストラかなんかの助っ人か」
「ええ、そんなところ。Aも見る？ 意外と面白いのよ」
「いや、いい」
頑張って、と一応言って、その場を去る。母は力無く笑っていた。
ぱたん、と部屋の扉を閉めて、ため息をつく。
「やるか」
カバンから今日貰った小冊子を取り出す。少しでも早く、彼らと同じ線に立たなければ。
ワンダーステージは普段、二、三個の演目を通常公演として行っている。それに加え、特別公演だったりが加わり、こちらはその都度新しいシナリオを演じる。
目下の課題は通常公演を完璧にマスターすることだ。
時計は10時を回っている。まだまだ時間はある。俺は気合いを入れて机に向かった。
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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (
レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶（？）みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です！！お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます！！ (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです！応援してます！ (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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