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「Aちゃん、なんだか嬉しそうだね」
「そうか？ いやまぁ確かに最近色々あったしな……」
「忙しそうだったけど、ここに来ても良かったのかい？」
「ああ、やっとまとまった時間ができたし、しばらく顔を出してなかったから」
薄暗い部屋。一脚だけの質素な木の椅子に腰掛けた俺は正面に立っている男を見た。少し笑って、迷惑だったか、と聞いてみる。彼も同じく笑ってからまさか、と返した。
重量感のある青いベルベットのカーテンの僅かな隙間から漏れ出る光が唯一の光源。それとともに向こう側から微かに楽しげなBGMが流れてくる。部屋の反対側は真っ暗で何も見えない。
――ここは、“セカイ”というらしい。
「そういうお前はどうだ。何か変わったことでもあったか？」
「強いて言うとしたらミクに付き合って体中痛いことくらいかな。君も知っている通り、ここには何もないしね」
「あぁ……お前も大変だな」
頭にネコのような衣装でぴょんぴょん飛び跳ねる少女を思い浮かべる。確かに彼女となら全身筋肉痛になってもおかしくなさそうだ。
「それよりも、Aちゃんの話が聞きたいな。珍しいんだもの、こんなにわかりやすく喜んでいるのは」
「そんなに嬉しく思っているわけじゃないんだけどなぁ」
俺の話なんざ大したことないぞ、と視線で訴えかけてみるも彼はニコニコするばかり。どうやら喋るまで離してはくれなさそうだ。
椅子の背もたれに体重をかける。ギッ、と嫌な音がしたので慌てて体を起こした。
「ほら、この前ちらっと話した天馬司。アイツに上手いこと言い包められて、はぁ……ショー、を、やることに……なった」
言い包められたなんて嘘だ。でも、あんな奴に絆されたとか死んでも言いたくない。だって情けないし恥ずかしいもの。
それを知ってか知らずか、なんだか意味ありげな顔で微笑む男、カイトを問いただそうとしたその時。
「ショーっ！？ 誰か、今ショーって言った！？」
カーテンの裏側で大きな物音がしたかと思ったら、その下をくぐって件の少女、ミクがはしゃぎながら姿を現した。
「うわっ……普通に入ってこいよ」
「Aちゃん、やっとやぁっとショーをする気になったのっ！？」
くるくると俺の周りを忙しなく行き来しながらミクは言う。
俺は顔を顰めた。
「やっとってなんだよ。ショーなんて最近になって初めて口にしたくらいだぞ」
「そんなことないよ」
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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (
レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶（？）みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です！！お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます！！ (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです！応援してます！ (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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