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廊下を走り抜け(風紀委員に注意された)、階段を一段飛ばしで駆け上がる。

体を動かすのは気持ちがいい。腹が減っては戦はできぬ、と言うが俺ならワンチャン戦行けそうだな、とか考える。戦をするつもりは毛頭ないが。

あっという間に着いてしまった屋上への扉の前に佇む。随分と寂れた雰囲気だ。今の俺にはちょうど良いだろう。

鬱憤を晴らすように、バァン、と勢いよく扉を開け放つ。

まず目に入ったのは緑の柵、その向こうの晴れた空。一瞬貸切かと思ったが、


「ぅおっ!?」


先客がいた。


「あー……」


お互いマジか、といった顔をする。

昨日俺に話しかけてきた男、テンマツカサ(仮)だった。小冊子を片手に何やら変な体勢をとっている。

こう言う場合、なんと声をかければ良いのだろう。こんにちは? 昨日はどうも? いや、違うな。

悩む時間約一秒とちょっと。超スーパーミラクルハイパーに賢い俺が導いた結論は、


「………………」


無言を貫き通すことだった。気まずい沈黙。


「お前も、ここの生徒だったんだな」
「まぁ、はい、そう、っすね……?」


気になってしょうがなかったので、何してたんすか、と聞くと「立ち稽古にカッコいいポーズの練習だ!」と返された。意味わからん。なんだコイツ。


「ここで会ったのも何かの縁だろう。オレは天翔けるペガサスと書き天馬!」
「あ、天馬先輩別にそれいいっす、名前知ってるんで」
「世界を司ると書き司!! ちなみに二年A組だ!!」
「話聞けよ!」


やべ、先輩に暴言吐いちまった。少し反省。

やはり男は天馬司(しかもガッツリ上級生)だった。名乗られた以上、こちらも自己紹介しなければいけない。面倒だ。


「……一年A組、海星A……デス。……あ、えっと、海に星で、海星」
「海星か、よろしくな」


くそう、あんな個性的な自己紹介の後じゃやりずれぇ!! それにあまりよろしくする気もねぇ!!

なんであの冬弥がこんなアイツと正反対の先輩と繋がっているのか不思議に思いながら、少し離れたところに腰を下ろす。持ってたパンの袋を豪快に開け、一口いただく。いただきますを言いそびれた。

顔を歪める。おいおい誰だよカレーパン買ってきたの。俺か。次からはちゃんと商品を見てから買おう。


「……昨日は、大丈夫だったのか」
「へ? らにふぁれふか?」
「口に物を入れたまま喋るな」


母親みたいなセリフにイラッとする。話しかけてきたのはお前だろうが。

どうやら天馬は見た目に反して教養があるらしい。

__→←__第二幕__



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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶(?)みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です!!お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます!! (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです!応援してます! (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩声 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年1月6日 9時

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