恋と飾って(∞) (ページ18)

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『勝っても負けてもこれが最後やで！』

遂に決勝戦まできた。

うちのバスケ部始まって以来初めての決勝戦。

やっぱ全国大会の決勝の熱量は凄い。

スタメンの皆は雰囲気に呑まれかけてガチガチやし。

横山もきっと緊張しとるんか一言も話さへんし。

審判「そろそろ整列お願いします！」

「よっしゃいくで！」

「「おおっ！」」

ここにきて初めて横山が大きな声を出した。

審判「それでは試合を始めます！」

笛の音とともにボールは高く投げられた。

『ああっ！』

相手ボールからのスタート。

試合はなかなか苦しい展開に進んでいった。

15－5。あの時と同じ展開。

前半終了を告げる審判の笛。

ベンチに戻って来た皆の顔は不安そうだった。

先生が作戦を伝え、コートに戻った時

「ここからや！ここからが勝負やで！」

その声とともに横山が初めて笑顔を見せた。

「「おおっ！！！」」

横山の声に皆の士気が高まった。

そこからの追い上げはほんまに目を見張った。

『ラスト20秒！』

これが最後のチャンスや、、！

パスをもらった横山はゴールに向かっていった。

横山が投げたボールはそのままゴールに吸い込まれていった。

横山のシュートが決まるのと審判が笛を吹いたのはほぼ同時やったと思う。

『、、勝った、、』

体育館中に響く歓声。

誇らしげに戻ってきたみんなの顔。

『、、、おめでとう』

横山は涙でぐちゃぐちゃな私にぶっきらぼうにタオルを渡してくれた。