STORY.2 バカ、サイテー、好き、ごめんね ページ21
「佐藤 A」
「はい！」
深緑色のチェックスカートに赤いリボン
真っ黒いブレザーと真っ黒い膝丈の靴下
見慣れた体育館なのに、見慣れた上履きなのに
＿＿見慣れたみんなの顔が並んでいるのに
「卒業証書＿＿以下、同文」
何度も練習した段取り通り卒業証書を受け取って
何度も練習した段取り通り、自分の席に戻る
ほとんどみんな同じ中学に上がるというのに、なんでこんなに悲しくなるんだろう
長い校長先生のお話も
長いPTA会長のお話も
今日はあっという間だった
最後の帰り学活はもっとあっという間だった
あれよあれよと言う間に、終わっちゃって
みんなで卒業アルバムに寄せ書きをして
とにかくたくさんの人と話して、写真を撮って…
「あっ、のさ!!……あの、ちょっといい、かな……佐藤」
「……………Aで、いいよ」
教室にはもう誰もいなくて
あと挨拶をしてないのは、成樹だけになっていた
「…じゃあ……その、A。俺……Aに謝りたいことが」
「私が謝られることなんて、何もないでしょう？」
なんて、なんでもないふりをしながら
卒業証書を抱えた腕に力が入った
知ってるよ？
私を諦めるって決めたあとしばらくしてから、成樹がクラスの女の子に告白したこと
それで、ダメだったことも
その子が断った理由が『私に悪いから』ってことも
知ってるよ、だから＿＿
「俺、Aの気持ち考えれなくて…いっぱい迷惑かけて……ほんと、ごめん」
返す言葉は、何も出てこなかった
「あと、俺引っ越すんだ」
「＿＿え？」
「…今日まで誰にも言ってなかったけど。だから、どうしてもごめんって謝りたかった」
「……ど、して」
鼻の奥がツーンとして、
卒業式であれだけ泣いたから今日は枯れたと思ってた涙が
頬を伝った
「泣くなよ」
ちょっと焦った風に、成樹がハンカチを差し出す
「ごめっ…でも、わ、わたし…」
全然上手く喋れない
やだ、最後かもしれないのに
「Aは、謝らないで。…前みたいに、笑ってほしい」
「…っ……ごめん」
期待させて、避けて、
それでもやっぱりあなたが好きなんて
今更
笑うこともできず、ただ泣くことしかできなくて
＿＿ごめん。
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ウール - あ、あとこの作品のURLをイラスト集の方に載っけてもいいでしょうか…？ (2016年2月10日 23時) (
レス) id: 6758aef385 (このIDを非表示/違反報告)
ウール - リク書き終えました！「時代の流れに逆らっていくイラスト集！」に載ってます！ ストーリー2の夢主ちゃんのちっちゃい頃です…w 挿絵には使えないかも… すみません（ ; ; ） リクありがとうございました！ (2016年2月9日 19時) (レス) id: 6758aef385 (このIDを非表示/違反報告)
743(プロフ) - 素敵な、甘酸っぱい恋愛小説でした。連続コメント申し訳ございません。 (2016年1月24日 13時) (レス) id: e2b66758fe (このIDを非表示/違反報告)
743(プロフ) - みぃさん» 遅れてすみません。リクエスト描き終えましたので是非。 (2016年1月24日 13時) (レス) id: e2b66758fe (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - はなのん【 EBCふぁみりー 】さん» コメントありがとうございます！背景はCSSで設定してます。詳しくはSpecial Thanksにもリンクを貼ってある夢乃ふわりさんの作品へ行ってみると分かると思います♪最近忙しくて更新停滞気味でしたが、頑張りますね！応援ありがとうございます！！ (2015年11月14日 18時) (レス) id: d3c66bb169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作者ホームページ：https://twitter.com/miii_uratuku
作成日時：2015年9月30日 22時
