Guy Fu！Show U.-磑風舂雨-(all her side) (ページ11)

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③-3*ちょっとドキドキした。ページ11

いまこの姿を一番見られたくなかった人かも知れない、中島先輩が現れた。

『何々、Aちゃんホテルからそのまま来た！？シャワーの後乾かしてくる時間なかったとか、！？』
『中島先輩！断じて違います、誤解して変な噂を社内に撒き散らすのはやめてくださいね！』
「そうですこれは！雨に濡れたからで！」
『あー、菊池が相合傘してあげなかったからだ！』
『違います、違いますって！』
『何、違うの～？何か心ときめく恋愛イベントでも発生したのかと思ったよ(笑)』
「何もありません、いつもの2人です(笑)」
『あっそう。ま、イチャイチャしすぎて遅刻しないようにね？』
「『イチャイチャなんてしてません！！』」

中島先輩は私たちを散々からかった後、ウインクを置き土産にしてエレベーターに乗り込んでいった。

『ったくなんなんだよあの人、』
「本当に！」
『ほら大分乾いたよ。恥ずかしくないくらいには？』
「ん、ありがとう！」

タオルを取っ払われれば目の前に風磨くんの胸板
身長差、体格差を間近で感じて、ちょっとドキドキした。

『それでコートも拭いてちょっと待ってろ、』
「へ？」

ガチャン

渡されたフェイスタオルでコートの水分をとっていると、
風磨くんがエントランスにあった自販機で買ってきてくれたのは────

『ほら、手ぇ出せ、』
「ん、」

温かいコーンポタージュ缶。

『これ飲んで温まんな。』
「あ…、ありがとうっ」

その優しさと缶の温もりに、冷えきった体が早くも温まっていく感覚がした。

『時間だ、行こう。風邪引くなよー？』
「あい、」

そうして2人エレベーターに乗り込んだ。