��-2*優柔不断なのは、きっとお互い様────。 ページ26
「寒いし鍋でもしようよ。」
今日は4月にしては珍しく冷え込んだ。
私の一言で、今日の夕飯は鍋で決まり。
テレワークが始まってから、最初はお互いの部屋を往き来してお昼休みを一緒に過ごすだけだったのが、お互いの部屋に午後になっても、終業時間まで居座る事が多くなった。
それが段々エスカレートして行って、夕飯にピザをとって2人で食べたり、2人で共作したりするようになった。
気付けばもう、半同棲状態で。
風磨くんと過ごす、春の陽気のような
暖かくて穏やかな毎日が心地よかった。
結婚したらこんな毎日が、待っているのかなぁ………、なんて。
自然とそう考えるようにもなる。
風磨くんが日に日に自分の日常に溶け込んで行って、今じゃ会わない日がある事が考えられない…………。
今まで別々に過ごしてきた土日だって、2人で買い出しに出たり、お弁当を持参して
ひとけのない公園のベンチでのんびり桜を見ながらランチを楽しんだりして、
風磨くんと過ごす時間がどんどん増えて行った。
肝心な事は何一つ言い出せていないし、聞き出せていない。
優柔不断なのは、きっとお互い様────。
だけどきっと着実に、私たちの関係性は育まれてるから。
だってもう、どうしたって離れられない気がするの…………お互いに。。。
そのうちにきっと、、垣根を飛び越えられる日が来るよ。
そう、遠くない日に…………時間の問題だと思う。
私はのんきに、“その日”が来るのを待ってみることにした。
『ちょ、A、肉食べ過ぎじゃねぇ？俺のなくなんだけど。』
「え、そんなことないよぉ！！風磨くんが食べるの遅いんじゃん。この世は弱肉強食だよ？」
『お前が速いんだよ、バカ。』
─────風磨くんと楽しく鍋をつつきあい、その後お酒も入って酔っ払って寝てしまい、目が覚めたら夜中だった。
体が痛いと思ったら、床の上。
目の前には、寝息をたてる風磨くん。
寝起きのぼーーっとした頭で、必死に記憶を呼び起こす。
風磨くん家で鍋して、お酒飲んで、それから……
大丈夫、服は来てるし、そういう事は多分ない。…記憶ないけど。
「ああ〜〜、やっぱ好きだわ。」
風磨くんの胸元に顔をうずめてすりすりした後、
「…お風呂に入らなくては。」
重い体を引きずって、私は自室へと戻って行ったのだった。
��FINAL-1*『最近、お前自転車漕いでないだろ。』→←��-1*男の子の部屋に上がるのなんて、元彼以来だから本当に久しぶりだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かるめら | 作成日時：2020年5月28日 12時
