Guy Fu！Show U.-磑風舂雨-(all her side) (ページ16)

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④-5*『雨が止むまで、ここでしのごっか。もういい時間だし、今夜はこのまま……、』ページ16

「………ン、」

何時間くらい寝て居たんだろうか
ふと目を覚ますと、目の前に風磨くんの顔。

「っひゃあ！！」
『あ、目ぇ覚めた～？』

びっくりして奇声を発した私に対し、間延びした声で私の髪を梳く風磨くん。

「いま何時！？」
『ん、そろそろ10分前だけど。…天気どーなったかな、』

むくり、と起き上がるとスリッパを履き、つかつかと窓辺に歩いていく風磨くん
ラブホ特有の覆いを開けて、外の様子を窓越しに伺う。

『おーおー、相変わらず荒れてんなァ、、』
「マジか～、、」

浸水した靴の様子を確かめに行くと、当然この短時間で乾いているはずもなく。

『雨が止むまで、ここでしのごっか。もういい時間だし、今夜はこのまま……、』

なんて布団に潜り直しながら言う風磨くんから香る自分と同じシャンプーの匂いが鼻腔をくすぐれば、何だか少しこそばゆい。
大きな手でゆるゆる頭を撫でられれば、脳みそがふわふわとした感覚。
思考回路が失われそうになったその時、

＼♪～～～♪～～～／

フロントからのけたたましい内線で現実に引き戻される。
風磨くんが受話器を取った。

『はい』

＼10分前です／

ガチャ、と風磨くんが無言で受話器を置く。

『自動音声だった、10分前』

「ん…、」

『どうする？宿泊に変更するならフロントにかけるし』
「…雨降ってるんでしょ？なら、靴乾いてないし朝出ればいいかなーって」
『ん、そうすっか。……あ、すみません。休憩から宿泊に変更お願い出来ますか？はい、チェックアウト時に精算で。お願いします、』

風磨くんは再度受話器を取り、フロントとプラン変更の電話を終え、またガチャリと受話器を置いた。

『変更したよー』
「ん、ありがとね」
『腹減ってない？夕飯何か食う？』
「ルームサービス？」
『ウーバーイーツってアリかな(笑)』
「この天気なのに？(笑)」

結局またフロントに内線かけて、ルームサービスで夕飯をとった。

『可も不可もなくって感じだな』
「ラブホでルームサービスのご飯頼んだの初めてかも(笑)」
『確かに、なかなか頼む機会ってないよな』
「行ったことないけど、中にはカツカレーに本気出してるラブホとかあるらしーよ？」
『そなの？今度行ってみる？』
「なんで？彼女と行きなさいよ(笑)」
『俺彼女居ないってば、』
「あ、そっか。作らないの？」
『……ん、』

そこから風磨くんは無言になってしまって。
何かマズいこと言っちゃったのかな、私…