Guy Fu！Show U.-磑風舂雨-(all her side) (ページ13)

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④-2*ラブホなんて来るの一体何年ぶりだ…？ページ13

2人エレベーターで1階まで下りて、一歩外に出たら

「うわあ～～～、すごい雨風…」
『マジか……』

今日は春一番が吹く、というのは小耳に挟んでは居たけれど
春の嵐とは一言も聞いていない。

「この雨風じゃ、ビニ傘瞬殺だろうな」
『だろうな～～、風向きころころ変わるし。』
「まあ、途中まででもないよりはマシか、」
『壊れても自分のじゃないし(笑)』

なんて風磨くんと話しながら、駅に向かって暴風雨の中を歩き出す。
今日の天気は本当にすごい…
春一番をナメていたかも知れない。
風だけなら良いとして、暴風雨は最悪だ。
傘を差していても前後左右に煽られて役目を果たしきれず、雨はあっという間に髪を濡らし
水溜まりによって靴の中もびちゃびちゃに浸食されて行った。

傘が裏返って壊れるのを防ごうと、2人して必死に風向きに合わせて傘の向きを合わせて居たのだけれど
あと5分ほどで駅、という地点で

「ああ～～、」
『やっちまったな(笑)』

くるくる変わる風向きにコントロールしきれず、遂に傘の骨が折れてしまった。

「ねぇ、、最寄り着いても傘ないし、ちょっとどこかで雨宿りしてから帰んない？全身びしょびしょでこのまま歩くのも、そこからこの状態で電車乗るのもやだよ…最寄りからまた歩かなきゃだし(泣)」

別に急ぐ用事もないし、ラブホかネカフェで雨が止むのを待つのもアリじゃない？そんなことを思って風磨くんに提案してみる。

『そうだな、、』
「シャワー浴びたい着替えたい靴も靴下も脱ぎたい髪乾かしたい」
『わかりみ…激しく同意。』

「自分そこのラブホいいすか、」

『は、、お前が良いなら。』
「じゃ決まり！」
『うい、』

2人で走って目の前のラブホに駆け込む。
パネルを見ると、よかった、空きはありそうだ。
ラブホなんて来るの一体何年ぶりだ…？
そんなことを思いながら、適当に安い部屋をポチポチと選ぶ。

「3時間くらいでいいよね？」
『ん、いーよ。』
「じゃあ、これで確定ね」

精算画面まで行って、入金しようと財布を取り出すと

『あ、いい、俺が払う』
「え、いいよ！後で割り勘しよ？」
『いーから、』

風磨くんに制されて、結局奢られる形に。

「いいの？」
『いーよ、これくらい。』
「ありがと、、」
『いーえ。』

2人きりのエレベーター…会社のとは違って少し窮屈で、ドキドキしないと言ったら嘘になる。

『なぁ、、Aってさ、』
「ん？」