イヤモニ ページ35
Aのデビューの日。
リハは手を繋いで 僕の横で歌う。
一緒に出る後輩の女の子達に冷やかされ、男の子達には羨ましがられた。
本番……
袖で見つめて イヤモニに愛の言葉を届ける。
「大丈夫だよ。オッパが側にいるからね。愛してるよ。オッパの事だけ想いながら歌ってね」
その一言一言に 小さく頷いてていた。
イントロがかかり ゆっくり歌い始める。
ざわざわしてた会場も、すぐにシーンとなり Aの歌声に聞き惚れて……
歌い終わって Aが丁寧にお辞儀して……
何秒か後 割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
司会 「今日デビューのAさんです。初めまして」
A 「初めまして。Aです。」
イヤモニで言う。
「大丈夫だよ。オッパ いるからね」
司会 「テレビでは見てますよ。いとぅくさんの奥様ですよね？階段から落ちたのはもう大丈夫ですか？」
A 「腕以外は治りました。」
司会 「噂によると 腕のギブスにはすじゅの皆さんのサインが書かれてるそうで」
A 「あ、はい。以前お会いした時に……見ますか？」
司会 「是非」
わざわざ隠す衣装だったのに……
ギブスをカメラに出して……
ちょっと 手が震えてる。
「A、もう少しだよ。すぐに抱きしめてあげるから」
いちいち頷くAが可愛かった。
楽屋に戻ったAを抱きしめて
LT 「凄く良かったよ。ほら オッパが言った通り大丈夫だったでしょ？」
A 「うん。ずっと オッパの声がしたから……オッパ、ありがとう」
LT 「この後 インタビューだよ。今日はオッパが付き人だからね」
A 「贅沢な付き人だね〜インタビュー中は隣にいてくれるの？」
LT 「いて欲しい？」
A 「うん。今日は付き人なんだよね？」
LT 「はい。隣にいますよ。付き人はちゃんと側にいなきゃね」
ウギョルのカメラも事務所のカメラも入ってるから 抱きしめる事位しか出来なくて……
早く帰って 思う存分 抱きしめて……
あんなことやこんなことも。
インタビュー中は 僕の手を握り 過呼吸や心臓の事を考えながらポツポツ話した。
インタビュアーもAの話に引き込まれ 僕とのツーショットの写真を撮り、最後には笑顔になって帰って行く。
歌ってなくても Aの声には魔力があるのか？
いや Aの魅力なんだろう。
僕もすぐにトリコになっちゃったし、メンバーも皆気に入ってた。
でも Aを見て安心する。
僕の事しか見てないから。
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作者名：トゥギ | 作成日時：2017年1月23日 2時
