2 ページ2
CM
カバンを覗いたヒョンはすぐに言ったんだ。
「Aさんって トゥギヒョンのペンだったの？」
A 「え？あー！どうしてカバンあいてるの？」
「いや あいてたし、偶々見えただけ」
A 「……ペンって言うか……まぁ ペンかな？」
「ふーん。俺たちのコンサートには来ないのにね」
A 「いやいや、スタッフで入ってるでしょ」
「じゃ、コンサートの日1回休んで見に来て」
A 「休めないでしょ！ここのスタッフじゃなくなったら ちゃんと見に行くよ」
「ダメ！今度の日本のツアーで、1回見て。席も用意するから」
A 「分かった。でも席は自分で頑張ってみる。」
「取れなかったって言うつもり？」
A 「ちゃんとエントリーするよ。私もビギだし」
なんて会話が続いて、その何週間か後にAは日本ツアー最終日にチケットが取れたらしい。
それから 何ヶ月が過ぎて、いよいよツアーの始まりだ。
順調にまわっていよいよ最後の東京。
Aがいないコンサートは久しぶりで、スタッフが泣きついてきたけど、ヒョンは
「じゃ Aが怪我とかして本当に来れない時はコンサート出来ないって話し？」
って、涼しい顔して言い放った。
そしていよいよ最終日。
僕たちも気合い入りまくりだけど、スタッフも同じだった。Aがいないってだけで 緊張感が半端ないみたいだ。
Aがどこの席かは分からないけど、見つけたいって思っていて……少し怖いのは団扇だ。
ヒョンの団扇持ってたら…って思ったら、なんか嫌だった。
探したいのはヒョンも同じらしい。
始まる前に
「チャンミナ、Aさん見つけような」
って言って、ダンサーさんたちや東方バンドの皆さんにもA見つけたら教えてって言ってたんだ。
ヒョンが頼んだ事によって、Aを探せーって言う掛け声まで出てた。
抜かりないヒョンはサムさんやカメラ、音響スタッフ…まぁ全員か…にもお願いしていた。
最終日の盛り上がりとAを探せって言うミッションで、今までにないテンション。
コンサート前なのに、もう疲れた気分になってるのは、僕だけかもしれない。
始まる前に カメラさんはお客さんを映すのは恒例だけど、今日ばかりはいつも映さないようなアングルまで映していたし、その映像を食い入るように見る中のスタッフ。
異常な盛り上がりの中 僕たちのコンサートが
始まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トゥギ | 作成日時：2021年1月11日 9時
