【wrwrd】人生最大の試練ですわII (ページ24)

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【鬱視点】

コネ『そっちに行ったで、大先生！』

「了解

いつでも来いよ！」

コネシマからの通信に、銃を持つ手を構えなおす。

ほんま、待ち時間長いねんって

はよ終わらせて帰ろうや

遠くの方に見える土埃を、地点Ｄを囲うようにそびえる山の中腹から見下ろしながら、ため息を吐きだした。

敵が射程圏内に入ってからはあっという間だった。

まさか向こうも、敵兵が山に潜伏して待ち構えているなんて思わなかったのだろう。

挟み撃ちの状態であると悟ってしまえば、崩れるのにそう時間はかからなかった。

もはや統率のとれていない兵を、一人ずつ首の隙間を狙い打ち、確実に減らしていく。

順調に減ってはいたが、この銃も決して万能ではない。

スコープを覗き、少し遠くにいる敵に標準をあて、引き金を引く。が、

「あ、くっそ！

ここ届かんのかい！」

放った弾丸は敵に届くことなく失速し、手前にいた兵の鎧に弾かれた。

この銃の致命的ともいえる欠点は、飛距離の無さにあった。

いくら鉛玉ではないとはいえ、火力を高めすぎると殺傷能力が増す。

その為、致命傷に至らないように火薬量を調節したところ飛距離が犠牲になった。

・・・いくら小さい弾とはいえ、防具の隙間の首元等を狙うのだから、貫通でもしたら殺しかねない。

その飛距離の無さをカバーする戦術の1つが、今回のように歩兵に追い込んでもらい、高台から狙い打つものであった。

もう一度、違う敵を狙おうとスコープを覗きこむ。

その時にふと、地面に転がる兵が目に入った。

その兵は、筋肉が攣る痛みからか、籠手を外し、腕を抑えていた。

ああ、腕に当たったんやろうなあ・・・なんて思いながら何気なくその兵の腕を見た瞬間。

スッと背筋が冷えた。