【wrwrd】人生最大の試練ですわII (ページ22)

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【ゾム視点】

ゴポゴポゴポゴポ・・・

泡の音しか聞こえない遮断された世界。

とっくに日が沈んでいる現時刻は、ただでさえ暗い水の中の視界を、余計に悪くしていた。

しかし、長年の経験で向かうべき方角は分かる。

後ろに続く3人の精鋭に合図を出すと、更に進んでいった。

「・・・」

水から顔だけを出して、素早く辺りの様子を把握する。

急遽運び込んだような、コンテナや大きめな倉庫が乱雑に立ち並んでいる。

どうやら上手く、敵の野営している付近に出られたようだ。

「ぷはっ」

口にくわえていた特殊な小型の酸素ボンベを外す。

陸に上がると、すぐに水中スーツを脱ぎ捨てた。

水中スーツの下は進軍中に戦闘になった時に、奪い取った敵兵の服。

ニッと笑うと、堂々と敵陣の中心へと乗り込んでいった―。

敵兵「お、お疲れ」

「チッスｗ」

倉庫の見張りと軽く挨拶をかわし、中に侵入する。

中に入ると、沢山の食料や医療道具、弾丸などがあった。

別の倉庫に散った他の奴らと連絡を取る。

「入ったか？」

精鋭Ｂ『こちらＢ。入りました』

精鋭Ｃ『Ｃも同じく』

精鋭Ａ『Ａもいつでもいけます』

「ええやんｗ

なら俺の合図の後に頼むで

あ、音量は今だけ最小にしときやｗ」

全く、不殺主義はこういう時に気ぃ遣うことが増えて大変やわ

まあ、刺激が増しておもろいんやけどなｗ

チラリと脱出経路を確認し、インカムの電源が付いてるのを確認すると、バッと物資の山の上に飛び乗る。

見張りの敵何人かと目が合った。

相手が反応する前に、小型のスピーカーを口にあてると、大きく息を吸い込む・・・

「どうもーーー！！！

敵兵でーーーすｗｗ

今からここを爆破しまーーーーーす！！！

命が惜しくない人だけ残っときやーーー！！！」

叫ぶやいなや、懐から粘着爆弾を取り出し、物資の山に投げつけた。

「ブーンブンブンブンブンブウゥゥウウゥンｗｗ」

逃げ惑う兵士を横目に、山から山へ避難口の方面に向かってぴょんぴょんと飛び回り、次々と粘着爆弾をセットしていく。