30-2 ページ19
【ショッピ視点】
戦地へと向かう前、俺は鬱先生に呼び止められ、武器庫に向かった。
鬱「ショッピ君、お前実弾見るの初めてやろ？
説明は受けとるはずやねんから大丈夫とは思うけど、訓練用のとはちゃうから、ちゃんと違い分かっとるか確認や」
そう言いつつ手袋をはめ、弾をいくつか並べる。
鬱「俺らは殺しはせぇへんから、鉛玉なんて物騒なもん使わへん」
ショッピ「ロボロさんが開発した特殊な弾っすよね？」
鬱「せや。
通常時に使うんは、この先端が赤い弾や。
こいつはな、先端に細かい針が付いとって、刺さると中の液が体内に入るようになっとる」
そこまでは知っとりますけど・・・
鬱「で、この液が撃ち込まれると、大脳の神経細胞が異常な電気的興奮を起こしてな、不随意に激しく発作的な骨格筋の収縮を起こすねん。
そんでな、この異常な電気的興奮が広く両側の大脳に伝播すると・・・」
ショッピ「？？？」
鬱「あ、さてはお前全く分かってないやろw
えー、つまり足つることあるやろ？
この特殊弾を撃ち込めば、その部分の筋肉を意識的につらせることが出来んねん」
時間ないねんから、最初からそう言えよ。
鬱「で、こっちの先端が青いんが催眠弾で、こっちのごっついケースに入っとる黒いんが滅多に使わん奴や。
ショッピ君、これ何か知っとるか？」
ショッピ「よっぽどやばい奴に使うとしか・・・」
鬱「あー・・・
まあ、間違ってはないんやけどな
こいつは、撃ち込まれたら脳に信号がいかんようになる・・・
つまり、意識はあるのに動かれんことなるんや」
ショッピ「・・・期間は？」
鬱「ん？
一生涯」
ショッピ「えらい、えっぐいっすね」
そんなの、死ぬよりつらいんやないか？
鬱「不殺主義ゆうてもな、人様のうちに土足で上がりこんでくるよーな輩は無事で返されへんこともあるんやで？
まあ、さっきも言ったように、こいつは滅多に使わへんから」
あ、お前弾触るときは絶対手袋すんのだけは忘れんなよ！とだけ言い残して、鬱先生は出ていった。
もう一度、弾をチラリと一瞥し、僕も武器庫を出る。
いよいよ初陣や。
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作者名：スノウ | 作成日時：2020年4月2日 3時
