【d!】忠誠心故に【軍パロ】 (ページ33)

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「……！ …………」

……誰かの声が聞こえる。喋り声というよりは、怒鳴り声に近い。
ゆっくりと目を開けると、白い天井が広がっていた。ベッドに横たわっているようで、起き上がろうと身体に力を入れる。しかし、左肩に走った激痛により、思うように動けず、小さなうめき声をあげてしまう。確か、自分は食料を運んでいて……倒れてしまった後、自分はどうなったのだろう。
意識がなくなる前のことを思い出していると、ベッドを囲んでいたカーテンがからからと開いた。

「お、もう目覚めたんやな」

よかったよかった、と、水色の髪の男性は、ベッド横のパイプ椅子に座った。”神”と書かれた布の面をゆらしながら、彼はしんぺい神と名乗った。

「えっと、なにがあったんでしょうか」
「あー、それはあいつがよう知っとると思うで」

しんぺい神さんは、おーい、と誰かを呼んだ。

「……大丈夫か？」

そういってカーテンの裏からひょこっと顔を出したのは、シャオロンだった。それに続き、疲れた様子でトントンも出てきた。

「最初にいうことそれやないやろ」

トントンはシャオロンの頭をぽかっとたたく。シャオロンはいつものように反抗せず、私へ向けて大きく頭を下げた。

「ほんまにごめん！！」

シャオロンの大声の謝罪から、私が医務室にいる理由は彼にあるようだ。
とはいっても、彼が何をしたのかがわからないと、彼に言葉をかけることはできない。
えっと、と言い淀んでいると、しんぺい神さんが先説明からやろ、と大声で笑った。
シャオロンは確かにと言った様子で、何が起こったのかを説明し始めた。