【d!】忠誠心故に【軍パロ】 (ページ24)

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「どうだ？最近来た新入りは」

軍部本館の会議室にて。
長方形のテーブルに、等間隔で置かれたチェア。
背もたれが特別長いチェアに腰掛ける総統以外、真面目にチェアに座る者はいない。 テーブルに寄りかかる青髪の男は、胸ポケットから愛用のタバコを取り出した。

 「ああ、あの子のことな。僕は言うてそないに喋ってへんなぁ」  

青髪の男、鬱先生は慣れた手つきでタバコに火をつけると、ふぅ、と煙を吐き出した。

  「なかなかおもろい反応してくれましたよ。にしても、グルッペンさん、どういう心境の変化っすか？あんなもんに手出すなんて」
「それ俺も思った」

ヘルメットを被った男、ショッピはテーブルに深く腰を下ろし、同調する鬱先生と同じようにタバコの煙を肺まで吸い込んだ。

「なに、試験的なアレだ。人材不足なうちにはちょうどいいだろう」 

総統はテーブルに肘をついて手を組む。口元は相変わらず愉快そうに弧を描いている。  

「せやけど、来て早々人の部屋侵入するやつの気が知れんわ」

フードを深く被る男、ゾムは、壁にもたれかかり、腕を組んでいる。笑みひとつないゾムの表情に、ショッピは嘲るように笑う。

「そういえば、ゾムさんクソ暴れられたらしいっすね」
「は？」

ゾムの目付きが一段と鋭くなったことを確認したショッピは、さらに言葉を続ける。

「俺には大人しかったすけどね。あ、嫉妬とか見苦しいことやめてくださいね」
「……ショッピくん、煽るんも大概にしときや」 

ゾムは体をショッピへ向け、翠瞳で見据える。臨戦態勢へ切り替わろうとしているゾムに、ショッピは緩く口角を上げた。

「はっ、煽りに反応するゾムさんも大概すけどね？」

稲妻が走りそうなほどバチバチの睨み合う翠眼と紫眼に、鬱先生は肩をビクッと震わせ、総統はやれやれと息を吐いた。 

「その辺にしておけ。内ゲバに発展してトン氏に粛清されるのは目に見えてるゾ」

総統の一言に、睨み合う両者は滲み出る興奮を抑え、お互い目線を外した。