【d!】忠誠心故に【軍パロ】 (ページ21)

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「……あなたのその復讐心は素晴らしいと思うよ。けど、仕事である以上、幹部との接触は避けられないの」

マーレは私を真っ直ぐ見据える。

「うん、分かってる。仕事はちゃんとする。閣下直々の命に背く訳には行かないから」

負けじと見つめ返すと、マーレは気を抜いたように笑った。

「ほんと、すごい忠誠心だね。尊敬するよ」
「別に、すごいって程じゃ……」

急に褒められて咄嗟に否定してしまったが、内心褒めれてちょっと嬉しかった。頬が少し熱くなったようか気がする。
マーレがにやにやしながらこちらを見てくる。何を笑っているんだ。そう聞こうとしたとき、コンコンと扉をノックする音が鳴った。マーレは表情をすぐに真顔に戻し、扉を開いた。

「え、ショッピ様？！」

来訪した人の姿を確認したマーレは、大きな声を部屋いっぱいに響かせた。

「全く、ゾムさんに使われる俺の身にもなってくださいよ」

ショッピと呼ばれた人は、ゆっくり用具室の中に入ってくる。彼の手には、ゾムの部屋に置いてきたであろう掃除用具があった。

「あ、それは……」
「申し訳ありませんショッピ様！わたくし共の不手際でショッピ様の手を煩わせてしまうことになるとは……」

私が謝るよりも先に、マーレが素早く頭を下げる。

「別にいいっすよ、てか、あんた新入りっすよね」

ショッピという人は掃除用具を乱雑に置くと、マーレに目もくれず、私を真っ直ぐ見つめた。

「はい、この子はAといいます。ほら、早くお辞儀を！」
「あ、Aです、よろしくお願いします」

マーレに促され、慌てて頭を下げる。マーレが焦るほどの相手に、スカートの裾を掴む手にちからが入る。
反応がないショッピの様子を伺おうと、目線を上げた瞬間、不意に顎を捕まれ、紫色の瞳に視線を絡め取られた。

「ふーん……」

ショッピは私をじっと見つめたまま、ゆっくりと目を細める。値踏みをするようなその瞳に、背筋がぞわっと粟立つ。

「大先生があんなにうるさくなんのもわかった気しますわ」

ショッピはそう言うと、ずいっと顔を近づけてきた。