今更 ページ10
侑「……やめるんか？エンコー。」
少し間を開けて、侑士が優しい声色のまま私にたずねた。やっぱり、涙の理由には気づいてた。
……私は、黙る。
何も、言えなくて。
侑「…A。」
…どうしても、私の口から言わせたいのか。
聞いてくれなくても、いいのに。
でも。…ここで、答えないのは…侑士に悪い。
貴「…やめれないよ、今更。」
そう。今更なんだ。
なにもかも…今更すぎる。
貴「私はもう…穢れてる。」
侑士は、口を開かない。
貴「それにね、怖いんだよ、結局。偽りでもいい。偽物でいい。この愛を、このぬくもりを、私は、失いたくはない。」
自分で言っていて、狂っているのはわかっている。おかしいのは、わかっている。
でも。
手離すのは、怖い。
生活費。それも、ある。
でもやっぱり。それだけじゃ、ないんだ。
侑「……そか。」
貴「ごめんね。間違ってるのは、わかってる。偽物に縋っているだけなのも、わかってる。でも。私には、手離すなんて怖くてできないの。」
ほんと、なにを言ってるんだろうか。
自分で、引きそうだ。
侑「……ま、俺がどうこうできるもんでもあらへんしなぁ。」
なんとかしてやれたらよかってんけどなぁ。なんて、呟いたのは…聞こえなかったことにしよう。
あまりにも…哀しそうに、呟くから――…。
侑「んじゃ、今日はもう部屋戻って寝ぃや？俺も部屋戻るで。」
こくりとひとつ頷いたのを確認して、侑士は、ほなな、と部屋を出ていった。そして私も、軽く部屋の備え付けのシャワーを浴びて、服を着る。
…………今日はもう、寝よう。
部屋に戻る気にもなれず。私はその部屋で、眠りに着いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルエル(プロフ) - れいかさん» あははーｗｗｗｗ← (2015年1月10日 8時) (携帯から) (
レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
れいか(プロフ) - クルエルさん» 40!? すごい…w (2015年1月9日 14時) (レス) id: 6a3a6c826e (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - れいかさん» 確かに今更感ｗｗ最近、占ツクに全然行ってなかったからさー！通知が４０以上来てた＼(^o^)／← (2015年1月9日 7時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
れいか(プロフ) - クルエルさん» ﾊｯ！ あけおめーっ!! だいぶ今更感はあるけどもww 今年もよろしくっす (2015年1月9日 7時) (レス) id: 6a3a6c826e (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - れいかさん» マジかｗｗｗｗｗてか、あけおめー！ｗｗｗｗｗ (2015年1月8日 22時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
