ワケあり少女を救うのは -2- (ページ12)

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交渉ページ12

跡「今日は最終日だからフリーゲームを行う。シングルスでもダブルスでも、やりてぇやつと存分に楽しみな!!」

朝食時に跡部から話があると思えば本日の予定のことで。予定…と言っても、昼まで自由に試合しろってだけなんだけど。でも、ちょうどよかった。これなら…蓮も、テニスできるな。

そう蓮に伝えれば、いいの!?と目を輝かせていた。２週間ずっと、悠人と皐の面倒をみててくれたんだ。マネ業も手伝ってくれたし。最後くらい、思いっきり楽しんだって、いいだろう。

そう思ったため…

貴「ってことなんだけど、いいかな？」

幸「へぇ、蓮くんが。」

立海のやつらに交渉にきた。

幸「うん、そうだね。２週間手伝ってくれたし、いいんじゃない？」

幸村が早々に賛成してくれて、他のやつらも笑顔で続いた。それにひと安心。

貴「やりたい相手が他と試合中だったりとか、相手見つかんなかったりとかで空いた時間だけでいいから。あと、ちょっとした休憩を兼ねて、とか。よろしくお願いするよ。」

幸「わかった。他校の人たちにも言っておくよ。なるべく蓮くんが暇する時間がないようにね。」

他校の人たちまでやってくれることになったら、本当にありがたい。さすがに、蓮を気遣って試合数が少なくなるとか練習の邪魔になるようなことがあっちゃ悪いと思って空いた時間だけで、って言ったんだけど…まぁ、蓮に対する好意ならばありがたく受け取らせてもらおう。そのほうが、蓮だって楽しいに決まってる。

貴「ありがとう。蓮、少しだけだけど、私の現役時代に教えたこともあるし、運動神経いいから基礎はだいぶ出来ると思う。」

へー、出来るのか。なんて声が所々で上がり、ん？っと視線が集まる。

ジ「現役時代って…A、テニスやってたのか？」

なんだ、そこか。
そういえば丸井と幸村しか知らなかったな、と思い出す。

貴「うん。小学生のときに、一応ね。」

へー…とか、ほー…とか、興味有り気な声が聞こえるが、私の知ったこっちゃない。スルーしておこう。

このとき全員が何か聞きたそうな顔をしてたから…おおよそ、なぜやめたのかってことが引っ掛かったのだろうが、親が死んだことと関係があったら…とみんなして口を結んだままだった。

…ま、聞かれてても適当に流しただけだったから、懸命っちゃ懸命な判断だね。

さて、そろそろバラバラと試合も始まるだろうし、ドリンクでもちゃんと作っておこうか。