ワケあり少女を救うのは -2- (ページ1)

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寝かせてくれなかったページ1

合宿も、残り2日。

貴「あー…眠…。」

しかしAは、端から見ても眠いですオーラが半端なく出ていた。
それでも、昨日までの雰囲気とは確実に変わっていて、蓮を主としたみんなは、少し安心していた。

丸「ちゃんと寝てねーのか？」

仁「ちゃんと寝なあかんぜよ？肌にも悪かー。」

そこにふたりがやってきて、Aを挟む。

貴「お前が全然寝かせてくれなかったんだろーがっ！」

仁王の方を軽く睨む。その発言に、丸井が声をあげた。

丸「ちょ、昨日はやらねーって言ってたじゃねーかっ！」

慌てた様子でAを見る。
Aは丸井がいる左側の耳をふさいだ。

貴「うるさいうるさい…。」

そこで仁王がAの肩を抱き、ぐいっと引き寄せて、丸井に向けてニヤリと笑った。

仁「すまんのぅ？ちゃんと寝かせてやれんくて。」

丸「なっ…!!」

丸井が視線の先を変え、仁王を睨む。
が、そこではぁ…とため息が聞こえる。

貴「ややこしい言い方するな、仁王。丸井も、勘違いするな。ただどーでもいい話を延々とさせられてただけだ。」

まぁどうでもよくはないのだが。そこはスルーだ。そしてふたりが同時に息をついた。

丸「なんだ…そんだけかよ。」

丸井はガムを口にいれ、ぷくぅとふくらます。

仁「なんじゃ、つまらんのー。」

仁王は、Aの肩を抱いていた腕を離し、ポケットに入れた。

丸「紛らわしい言い方してんじゃねーよ。」

ｸｸｯと笑う声が聞こえたと思ったら、仁王は面白そうに丸いに目を向ける。

仁「ぶんちゃんは何をそんなに焦っとるんじゃろーなぁ？」

丸井はしどろもどろになって目を泳がせた。

丸「べべ別に、焦ってねーよ！ただ、エン…」

貴「だぁぁぁぁ!!」

急に、Aが大きな声をあげる。
丸井の口を手でふさいで、耳元に近づいた。

貴「お前なに言おうとしてんだよっ！今朝食前！そこに蓮たちいるっつーの！」

小声でそう怒れば、丸井は「あ。」と気づき悪ぃと謝るも、すぐに真っ赤になってAを押し離した。

貴「う、わっ…と。なんだよ…。」

丸「ち、近ぇよっ!!」

はぁ？と眉をひそめるも、その真っ赤な顔を見て、はぁ…と前を向きなおした。

貴「純粋すぎ。」

ぼそっと呆れたように言うも…その顔はほんのり赤くなっていた。

仁「………はぁ。」

それを複雑そうな目で見ている仁王がいた、なんて…誰も知らない。