星が綺麗ですね*国見英 ページ4
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A先輩。
俺が所属する男子バレー部のマネージャー。
誰にでも優しく、笑顔が可愛い。部員だけにとどまらず、学校の人気者だ。
そんな先輩に、俺は恋している。
「先輩」
『どうかした?』
「……なんでもないっす」
先輩のことを好きな男なんて、何人居るだろうか。きっと何人もいる。A先輩はとにかく可愛い。そんな人がモテないはずがないのだ。
だから、俺は少しでも気づいてもらえるように、よくちょっかいを出している。
さっきみたいに意味もなく名前を呼んだり、嫌がらない程度のイタズラをしたり。
こんな幼いことしか出来ないけど、少しでも先輩の頭に俺がいることが出来たら嬉しい。
『英』
「なんですか?」
『なんでもないよーっ』
仕返し!とピースをして笑う先輩。そんな笑顔を向けないで。そんなことしないで。俺がやばいから。
本当に先輩はずるい。
俺がこんなに好きなの、知らないのにドキッとさせるから。今以上に、好きにさせるから。
「先輩」
『ほんと今日どうしたの?』
「先輩、ずるい」
あ、やば……。
気づいてしまった時にはもう遅かったかもしれない。なんで、そんな意味のわからない言葉を言ってしまったんだろう。
きっと今頃、A先輩の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされているに違いない。
『え、私なにかした?』
困っているような先輩の声。やばい。勘違いさせてしまったのかもしれない。
「ずるいです…………」
『……』
こんなに好きにさせて。
もっともっと好きにさせておいて。
なのに、1ミリも気づいてくれない。
「……先輩」
『うん』
もういい。言ってしまおう。
好きって知って。
好きって言わせて。
「星が綺麗ですね」
ねぇ、先輩。
そろそろ気づいてくださいよ。
* * *
星が綺麗ですね→貴方は私の想いを知らないでしょうね
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作者名:ゲスの極みハイクラ。 x他2人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年4月3日 17時