決別 ページ30
〜No side〜
「Aちゃん、落ち着きなさい」
『うるさい！！この手を離して森さん！
待ってっ、にーさま！！お願い！！！
置いていかないでっ、Aを置いて行かないでよぉ…』
少女の悲痛な叫びに、決意を決めたはずの太宰の足は止まる。
少女は大粒の涙を流し続ける。
その時、黄金色の光が少女を包んだ。
『異能力＿＿＿走れメロス………っ！！』
「…………だめだよ、A。」
光は瞬く間に収まっていく。
少女は今、太宰に抱きしめられているからだ。
少女は何時までも涙を流し続けた。
『なんで、なんでよ…今ここで待ってたら、にーさまは帰ってこないでしょ…！？
待ってても帰ってこないなら、私は待ちたくない…！！』
喉が枯れるほど叫んだ。
大好きな人の腕の中で、どうしても離れたくなくて。
「ごめんね、A。
いつか、必ず迎えに来るから。待っててくれ。
＿＿＿＿＿愛しているよ」
『ぁ……いやっ………にー、さま、
私も、私も…だからぁっ…置いていかないで…！！』
太宰は少女から離れる。
追いかけようとする少女を森は押えた。
遠くなっていく、愛する人。
ずっとずっと、追いかけ続けてきた影。
"にーさま"と呼べば振り返り、誰よりも優しい顔を見せてくれた。
今ではそれすらも、嘘だったのではと思えてしまう。
愛しているなら、何故置いていく？
何度唱えても、答えは返ってこなかった。
少女は泣き叫んだ。
愛ゆえの、悲痛な叫び。
冷たい床は、少女の小さく華奢な…熱い体を冷ましていった。
＿＿＿兄への愛と共に。
・
・
「織田作っ！」
夕日が差し込むその場所には、織田とジードが倒れていた。
太宰は織田に寄り添う。
「バカだよ！君は大バカだ！」
「太宰…お前に言っておきたい事がある…」
織田は太宰に力強く言った。
ポートマフィアでは、生きる意味は見つからない。と。
太宰は震えた声で問う。
「人を救う側になれ」
その方が、幾分か素敵だ。
太宰の包帯が解ける。まるで鎖が消えたかのように。
「Aは、置いてきたんだな…
あいつもいつか、救ってやれ」
その言葉を最後に、織田はこの世から去った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 204人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゅーー - るぅちゃみさん» コメントありがとうございます！！アンケートが終わり次第更新できるよう頑張りますので楽しみにお待ちください！！🫶 (3月22日 15時) (
レス) id: ef31847629 (このIDを非表示/違反報告)
るぅちゃみ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!更新頑張ってください😊 (3月20日 22時) (レス) @page41 id: 70950edfd3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 花華�爛魯��瓩気�» えええほんとですか！？嬉しすぎます♡学校頑張ってて偉すぎますよ👏🏻その頑張りに応えられるように私も頑張りますね！！これからもよろしくお願いします！！ (3月15日 7時) (レス) id: ef31847629 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーー - 死病＠不安剤さん» コメントと応援ありがとうございます！！！これからも頑張ります💪 (3月15日 7時) (レス) id: ef31847629 (このIDを非表示/違反報告)
花華�爛魯��� - この為に学校頑張ってます！！続き楽しみです！ (3月15日 0時) (レス) id: 0fbaa962de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゅーー | 作成日時：2024年2月10日 18時
