No.73 ページ30
.
「恋人同士ですか？それともまだお友達？
Aちゃんは荼毘くんのこと、
どう思ってるんですか？」
トガちゃんに次から次へと質問攻めされる。
『えっと……』
聞かれて初めて、疑問が湧いた。
私と燈矢くんの関係について。
想いを確かめ合った。
一緒に夜を過ごした。
でも、確信めいた告白のようなものはされてない。
海外では告白無しに付き合うのが普通らしいけれど
あいにくここは日本で、
燈矢くんがどういう恋愛観を持っているのか
いまいち分からない。
『恋人同士……なのかな……？』
「分からないのですか？」
「俺にはお似合いに見えたけどな！不仲だった！」
……すこし、不安になる。
燈矢くんにとって、
荼毘さんにとって、
私はどう位置付けられているのか。
「じゃあじゃあ、荼毘くんのこと、
どう思ってるんですか！？」
トガちゃんは質問を変えてくる。
……彼にどう思われていようと、
荼毘さんのことを、
燈矢くんのことを。
『私は………、』
答えようとしたその時、
「なァ、平和に行こうぜ？」
「火出しながら言うなよ」
「先に手ェ出してきたのはそっちだろ」
言い争いは互いに個性を仄めかすくらいに
エスカレートしていたらしく、
______荼毘さんの手から
蒼い炎が立ち昇っているのが見えた。
瞬間、
体の底から、熱いものが込み上げてくる。
『っ、！』
その蒼から、目が離せなくなる。
この世の何よりも私の心を惹きつける、
美しい蒼炎。
いつでも私を照らしてくれて、
助けてくれて。
それを見ると、
彼が好きで好きで堪らなくなる。
感情が溢れて止まらなくなる。
「……Aちゃんは、」
私のその様子を見てか、
「荼毘くんのこと、だぁいすきなんですねぇ」
トガちゃんはそう耳打ちしてくる。
『え、あ、』
他人に不本意に恋心を知られる羞恥心から
顔が赤くなる。
すると、
「かァいいねぇ、ステキだねぇ！！
私もいますよ！好きな人！！！一緒だねぇ！
Aちゃんともっと仲良くなりたい！！
Aちゃんになりたい！！」
突然テンションが高くなったトガちゃんが
襲いかかってくる。
「おい！トガちゃん！やりすぎだぜ！
もっとやっちまえ！」
逃げられない……、
そう思い、目を瞑った時。
「イカれ女。なにしてる」
予想していた衝撃は無く、
代わりに私は
荼毘さんに腕を引かれていた______。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 499人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゅん - 涙なしでは見れない作品だ…😭こんな涙腺崩壊した小説ないよぉ…！もうこれは名作と言っていいのでは！？ (2023年3月19日 19時) (
レス) @page45 id: 58dfe2492c (このIDを非表示/違反報告)
mist927(プロフ) - 燈矢だと気づいた時の…彼女の心の声…燈矢の彼女への告白のシ−ンは涙がポロポロ…で感動しました😭不遇だった燈矢をこんなにも愛してくれる女性がいてくれたらと思っていたので嬉しくて嬉しくて…素敵な二人ですね😊続きを楽しみにしております🙇 (2023年1月6日 18時) (レス) id: b76e44f0a0 (このIDを非表示/違反報告)
うに太郎(プロフ) - めちゃくちゃキュンとします😭💕続きは書かれないのですか？！ (2022年11月11日 23時) (レス) @page45 id: 717bee0437 (このIDを非表示/違反報告)
ikettyo(プロフ) - 貴方様の語彙力はどこから出てきていらっしゃるのですか…まじ尊敬します。 (2022年8月8日 20時) (レス) @page45 id: 6e023ebe5b (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 冷夏さん» そう言っていただけて嬉しいです〜😭‼️‼️ありがとうございます！！ (2022年6月9日 5時) (レス) id: f09d5f8a63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無名 | 作成日時：2022年3月27日 7時
