No.58 ⚠︎ ページ15
※すこし本誌
荼毘side
再会した。
_____燈矢として。
正体を知っても
ただその純粋な愛を与えてくれた。
深く、キスを交わして
そのあとは
会えなかった時間を埋めるように
体を重ねた。
体性感覚の鈍化。内臓の損傷。
自分の体のことは
自分が一番分かってるつもりだった。
熱さも痛みも、快楽も
もう何も感じない。
『っ、ゔ……、』
痛みか恐怖か
目を瞑り体を強張らせるA。
安心させてやりたくて
頭をそっと撫でてやると
ゆっくり瞼が開かれる。
_____何も、感じないと思ってた。
熱に浮かされた瞳で
見つめられるまでは。
「…っ、」
こいつは今、俺を、
俺だけを、見てる。
『とう、や、く…っ、』
『っ、す、き』
体の内側から燃えるような感覚に
全身を支配された。
「っ、A、」
名前を呼べば、
『ん、とうやくん、すき、
だい、す、き…』
それ以上で答えてくれる。
依然として感覚は鈍いはずなのに
潤んだ瞳が
甘い嬌声が
確実に、体の熱を高めていく。
欲望のまま動く。
手加減しなきゃなんねぇのに、
足りない。
もっと、
もっと_______。
『ずっと、いっしょに、いる』
『とうやくんしか、見てない、から』
『とうやくんとしか、生きていけない』
『とうやくんに、ぜんぶ、捧げる』
_______俺自身が強く望む必要もなく
Aは、俺を見てくれる。
欲しい言葉を、全て与えてくれる。
そして
Aには、俺しかいない。
その事実に
この上なく満たされる。
何度も確かめるように唇を合わせた。
繋いだ手の指同士を強く絡めた。
無心で首に噛み付いて
白い肌に、赤く華を残した。
心の底から何度も
愛してる、と
囁き合った。
……事後、気絶するように眠るAの体を
気休め程度に清めてやると
目を腫らして眠る姿に
全身に残る痕に
罪悪感よりも先に、
征服感が、安心感が、芽生えた。
もうこいつは、俺から逃げられねぇ。
はは、と乾いた笑い声が響く。
そっと抱きしめると
答えるように抱きしめ返される。
『はなさ、ないで…、』
「……」
寝言……か。
あぁ、そうだなァ。
お望み通り、
ずっと一緒にいてやるよ。
地獄だってどこだって。
この身が燃えて灰になるまで。
否、灰になったとしても
Aだけは、離さねぇ。
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しゅん - 涙なしでは見れない作品だ…😭こんな涙腺崩壊した小説ないよぉ…！もうこれは名作と言っていいのでは！？ (2023年3月19日 19時) (
レス) @page45 id: 58dfe2492c (このIDを非表示/違反報告)
mist927(プロフ) - 燈矢だと気づいた時の…彼女の心の声…燈矢の彼女への告白のシ−ンは涙がポロポロ…で感動しました😭不遇だった燈矢をこんなにも愛してくれる女性がいてくれたらと思っていたので嬉しくて嬉しくて…素敵な二人ですね😊続きを楽しみにしております🙇 (2023年1月6日 18時) (レス) id: b76e44f0a0 (このIDを非表示/違反報告)
うに太郎(プロフ) - めちゃくちゃキュンとします😭💕続きは書かれないのですか？！ (2022年11月11日 23時) (レス) @page45 id: 717bee0437 (このIDを非表示/違反報告)
ikettyo(プロフ) - 貴方様の語彙力はどこから出てきていらっしゃるのですか…まじ尊敬します。 (2022年8月8日 20時) (レス) @page45 id: 6e023ebe5b (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 冷夏さん» そう言っていただけて嬉しいです〜😭‼️‼️ありがとうございます！！ (2022年6月9日 5時) (レス) id: f09d5f8a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年3月27日 7時
