Sweet Story's

＊ ページ49

.







「涼太、わたしからもちょっとしたお祝い」


『え？なんの？笑』



手を引いて彼をキッチンに戻して

冷蔵庫から取り出したタルトをテーブルに置く。



『え、これAが作ったん？』

「ちょっと不恰好だけどね、笑」

『めっちゃ美味そうやん！』

「もうすぐ始まるね、初のドームツアー」

『やなぁ、すぐやったなあ』

「また夢が一つ叶うね」

『まだまだこれからやけど笑』


タルトを見つめて

キラキラと目を輝かせる涼太。

かっこよかったり、可愛かったり。


いろんな表情を魅せてくれる彼に

出逢った頃から心は奪われっぱなし。


「プレゼントはね、用意できてないから
だからとりあえずこれで我慢して？笑」


『そんなんなくても大丈夫やって笑
こうやって、何年先も一緒に料理作って、
いいことあったら一緒にケーキ食べて、
ヤなことあったらたくさんグチってさ。
俺はこの先のAの未来、くれたら十分』





2人で作った唐揚げとポテトサラダ。

わたしが作った不恰好なタルト。



特別なんてなくてもいい。




彼の頰にそっとキスをして

” 初ドームツアーおめでとう ”と微笑めば

” これからも夢、見せたるよ ”と

彼から返ってくるのは優しいキス。



あなた と わたし。

2人の笑顔が並べば


きっとそれは 至福の時。









.

from＊＊＊Mina.→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す