魔法をかけよう (ページ9)

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☆ ページ9

コンコンとノックしても反応がない
きっとつらくて寝ているのだろう
そーっと音を立てないようにドアを開けると
布にくるまった芋虫みたいなドラコが眉間にシワを寄せて寝ていた

『…』

いつもは青白い顔が今日は可愛らしいピンク色に染まってて何だかこんなドラコもいいななんて思ってしまった
おでこに手を当てるととてつもなく熱くて相当酷いことが伺えた

おでこからほっぺに手を移動させると、苦しそうに、ゔぅ…と唸ってうっすら目を開けた

｢クラッブか…？それともゴイルか…？｣

やっぱり可愛くない。私をクラッブかゴイルに間違えるなんて。

『どっちだと思う？』
｢は…？誰…？｣
『だーれだっ』
｢A…？なんで…？｣

私だと気づいて驚いたのか目が飛び出しそうなぐらい開いてる

『風邪引いたんですってね？』
｢なんだよ…そんなのどうってことない｣
『まったまた～強がらないでいいのよ。つらいんでしょ？』

からかって楽しんでたら
もう知らん。と言わんばかりに目を瞑ってしまった
おでこに乗ってたタオルがぬるくなってたので
また水に晒して絞って乗せてあげようと身を乗り出したがそれはドラコによって阻まれた

『…っ』

ドラコがキスをしてきた
手に持っていたタオルは形を崩してドラコの横に落ちた
いつの間にか大きくなった手で私の後頭部は捕えられて身じろぎすらできない

息が苦しくて私が声を漏らすとやっと離れたくれたが、ドラコは普段こんなことをしてくれないので私は正直驚いていた

『…っ///なんなのよっ…もう…///』
｢ふっ…かわいいな｣

らしくもないセリフまで言うもんだからこっちが恥ずかしくなってきてしまう
これはきっと熱のせいだ、そうに違いない

『熱のせいかしらね？』
｢どうだかな…｣

そういうとドラコは満足そうな微笑みを浮かべてまた目を閉じた