魔法をかけよう (ページ22)

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☆ ページ22

そう叫んだところで目が覚めた
やっと覚めた…よかった
しかしそこには長い黒い髪の無愛想な本人が立っていた

｢こんな所でなにをしている…？｣
『あ…』

さっき、私は夢の中で叫んでた、まさか現実でも叫んでたんじゃ…

｢風邪をひくぞ、早く寮に戻りたまえ｣
『はい…』

よかった…聞こえてなかったみたいだ
目の前を歩く背中を見てそう思った
スネイプ先生の後ろを歩いて寮に戻る
人気のない場所にさしかかった所でスネイプ先生がこちらを振り向いた

｢ところで、先程無愛想な私の方が好きだと叫んでいたな｣
『…!?聞いてたんですか!?』
｢ふっ、否定しないということは聞き間違いでは無いようだな｣

聞かれていたとわかった途端に顔が火照った
絶対ゆでダコみたいになってるよこれ

『いやっ、あの、夢でやたらとニコニコしているスネイプ先生が出てきたので…』
｢ふむ…ニコニコしている私か…夢の中の私はそんな風だったのか。他に何か変わったところは？｣

珍しくスネイプ先生が私の話に興味を持ってくれた
それが嬉しくて夢の中内容を事細かに教えた
もちろん私の気持ちは言わない

『すごく変な夢でした』
｢私がニコニコしていたらおかしいか？｣

先生が真っ直ぐ私を見つめてくる
死ぬんじゃないかってくらいに心臓はバクバクと跳ねる
だってこんなに穏やかな目で見つめられたことない

『おかしくないです…』
｢ならば私が君に夢の中と同じことを言ったらおかしいか…？｣
『そ…それは…』

いつの間にか私たちの距離は近くなっていた
腰に腕を回されて先生が私を覆うように抱き寄せる

『変じゃないです…』

そう言うとふっと微笑んでそっと口づけられた
夢みたいなキザなセリフを先生が言ってて違和感がある

『先生…これは夢ですか？』
｢そう思いたいならそう思うがいい。私は夢の中でも現実でも、君を愛している｣

違和感あるけど、これが夢なら醒めて欲しくないな
そう思いながらまた先生の隣に並んで歩いた