死神に懐かれた時の対処法【名探偵コナン】

大人っぽいのである。 ページ41

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そうして再度ワタワタとどうにか弁解しようとしていると＿＿＿、





「………また、口説かれちゃいましたね？」



『ぁえ…っ、』





今度は安室さんは、照れる訳でもなく爆笑する訳でもなく。ただただ大人っぽい表情で……上目気味に、笑った。

その挑戦的な雰囲気に体温が上がった気がする。声が上手く出てこなくて、体も動かない。だが目をそらす事も出来ない。





(この、笑い方は……み、見たことないっていうか…)





強いて言うなら、バーボンを彷彿とさせる様な。



＿＿＿＿すごく、大人っぽい。



目を逸らせないし、でも雰囲気は甘いし、どうすることも出来ないし。これは＿＿＿、





『…………〜っあ、あ、あの！！？ほんとにっ、私そういうつもりじゃありませんでしたからぁ！！』



「……おや？」





……そこで思わず、その艶っぽい空気に耐えられなくて雰囲気をぶち壊すみたいに少し大きめの声で否定の音を上げてしまった。


安室さんはというと、目をぱちくりと瞬かせた後仕方がない、とでも言ったような表情になる。





「残念ですねぇ、今度は大人しく口説かれようと思っていたんですが」



『ちがっ、まず口説いてないですし！？安室さんも安室さんで抵抗して下さい！！……っコナン君！？帰ろうか！？』



「……。」



『コナンくん…？？』





安室さんの視線から逃げる様にしっかりと顔を逸らし、今の今まで放っておいてしまっていたコナンくんに話しかける。

異様に静かだったけど……どうしたんだろうか。と、思っていたのも束の間。





『コナンくん？？』



「！……Aさんっ！！このネタとこのネタ、どんなストーリーにするつもりだったの！？登場人物の構築から話の内容は少し察せるんだけどやっぱりトリック気になるよ！！伏線は多分このキャラの設定で貼るんだよね、？じゃあ回収はどのシーンで！？あっでも舞台がどういう場所になるかによっても変わってく＿＿＿＿、」





………どうやら私のネタ帳に没頭していたらしい。

私と安室さんの会話、全部綺麗にスルーしてたのも周りが全然目に入ってなかったって事か。まあ小説の評価をしてくれるのは嬉しいんだがね……。





『……コナンくん。ちょっと落ち着こうか？？そろそろ帰ろうと思っていたんだけど……』



「！あっ……ごめんなさい、ついのめり込んじゃって…！！じゃあ帰ろっか！」



『うん、お見送りするね』





(はぁ……今日は疲れた。帰ったらちょっと寝よ…)





安室さんに『では、』と会釈をした後、コナンくんと一緒に席を立つ。

「……Aさん、」






そのまま出口へと二人で向かえば、背中にかかる優しげな声が一つ。振り返って言葉を返すと＿＿＿＿









「またのご来店、お待ちしております」










今度の笑顔は、有無を言わさないものだった。











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