大人である。 ページ14
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沖矢さんを作業部屋から書斎の方へと案内した。
あ、ちなみにこの発言から分かると思うけど私の家は結構豪華な方である。お金ならあるからね。
『ええっと、サイン色紙ー……』
「……。」
『?沖矢さん?』
サイン色紙の入ってる棚から色紙を取り出そうとしていると、沖矢さんがどこかぼーっとしているのに気付く。
……うん?どうしたんだろうか。
もしかしてなにか気になることでもあったのかな。
『どうかしました?』
「あ……いえ、ただ…本当にあの憧れの作家の家に来たのだなと」
『えっ』
「実は僕、最初はそこまで読書家の方では無かったんですが……貴方の作品に触れてから、文学へとのめり込む様になって。そこから本を読むようになったので……」
………え、待って褒め殺し??照れるんだけどな?ていうか少し照れた様な笑い方するの辞めない?
待って、貴方赤井さんだよね中身。そんな笑い方するんだね??ちょっと儚げっていうか大人っていうか色っぽいよなんか。
『……えと、ちょっと照れますね。私も沖矢さんの様な方がファンの中に居てくれて、嬉しい限りですよ。
この仕事を始めて良かった……小説家を目指し始めたばかりの頃はあまり気乗りしなかったんですけど』
「おや、勿体無い……貴方ほどの文才がある方は早々いないのに。文豪と言っても過言では無いですよ」
『そっ、それは言い過ぎですよ!?恐れ多い……』
「ん、そうですか?」
え、ねぇなんなの?沖矢さんめっちゃ色っぽくないかい?目元が緩んでて目線が優しいからかな……
あと目元もそうだけどなんか異常なほど優しいよ??何で?コナン君助けたから?声音も甘いし…
『……ゴホン。私はその、趣味を職業にするのはあまり気乗りしなかっただけです。
仕事とプライベートで日々を回すとしたらずっと同じ事を続ける事になるから…飽きてしまわないか、嫌いになってしまわないか不安になって』
誰かーーー。沖矢さんの優しい視線に照れない様に必死に笑顔を取り繕ってる私を褒めてーー。
ていうか沖矢さんの優しいだけの視線ってそんなに物語で出てこないじゃん!?そのギャップが凄いというか……!
すると、不意に沖矢さんが口元に手を当てて上品に笑った。え、色っぽ。
「でも、今はそれでも小説家をしているんですね」
『え、あ、えっと、はい!!そうですね!』
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ゆんたん - 続きの黒の組織がファンで握手会に来ちゃった!がもーのすごく気になるんですけど早く続きが見たいです!待ってます! (4月29日 23時) (レス) @page42 id: 05f7eab501 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょ - 題名から興味を持ち読み始めたのですが、読み進めていく中でとても引き込まれてしまってすごくドキドキして続きが楽しみです‼︎すっっごく大好きです! (1月4日 11時) (レス) id: 1eef7c0801 (このIDを非表示/違反報告)
あめちゃん - ずっとこの作品好きで!久々にも一回みよーおもて読み終わってもまだこの人のやつが読みたーいって思ったからこの作者の作品を全表示ってところに行ったら!え?嘘でしょ?銀魂の空から女の子がも書いてるんですか??好きなやつなんだけどぉ!ってマジ天才過ぎる! (11月24日 1時) (レス) id: d22fe26ad0 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - すごく面白かったです!続編頑張ってください! (8月5日 8時) (レス) id: a2e96a3a87 (このIDを非表示/違反報告)
るる - この小説好きです!! (8月1日 23時) (レス) id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年4月23日 10時