case12.顎クイ(ut) ページ14
ut
「なーあーAちゃん、構ってぇやぁ」
『やだ』
夏休みに暇する小学生並みにしつこく彼はあなたにちょっかいをかけにいく。
最初のうちは可愛いものだと見過ごせたものもの、最近は頻度も増えてあなたは煩わしく感じてきた。
適当にあしらってはいるのに、それでも彼が止めない理由がわからない。
「あーっ、Aちゃん、僕の彼女やのに何でそんな冷たいこと言うんー！？」
『自分で考えなよ』
精一杯怒りを抑え、優しくした回答がこれだ。
いよいよダル絡みが激しすぎてあなたは堪忍袋の緒が切れそうである。
「んーわかった！倦怠期ってやつやな？」
いや違うと思う。
もともと望み薄だったのであなたはそれほど落胆してないにしろ、呆れてものも言えない。
「えーよ、僕の格好いいとこ見せてあげるから」
『いや別に期待してな……ちょっ』
あなたが厭わしそうに言うと、物凄い力で壁まで押し寄せられる。
そのまま流れるように顎に長くしなやかな指を添えられ、無理矢理上を向かされた。
深い藍色の瞳が艶美にあなたを包み込む。
睫毛が落とす影の艶やかさに魅せられ、あなたはまともに抵抗することもできず瞼をおろして彼の官能的な口づけを待つ。
「……っくくっ」
一向に落ちてこない唇に違和感を感じた頃、籠もったような笑い声が聞こえて目を開ける。
あなたの顎を掴んだままの彼がそれは愉しそうに笑っていた。
「キス待ち顔、もーらいっ」
『なっ……！』
あなたは揶揄われたのだと気づき、一瞬にして顔を赤く染める。
「キス、してほしい？」
『そんなことっ、んむっ！？』
必死に言い訳を並べ立てようとしたあなたの唇を彼が塞いだ。
「ごちそーさま」
彼がぺろりと自分の唇を舐める。
あなたがその一連の事柄の衝撃に力が抜けて崩れ落ちそうになったところを彼があなたの腰に手を添えて支えた。
彼はあなたの唇を親指でなぞる。
「もしかして、いただきます、のがよかった？」
背筋をなぞられ体を震わせたあなたは、更に一層顔を赤くして、唇の端を持ち上げる彼を睨んだ。
※これからの制作予定の話をしよう※→←case11.告白 ＜shp side＞
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緑黄色野菜(プロフ) - あくのさん» わぁ、ホントですか！？よかったぁ！！ちょっとやりすぎたかなと不安になっていたので喜んで頂けて私も嬉しいです！ (5月3日 17時) (
レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
あくの(プロフ) - ドロドロいいですね...！！！ここまで甘いお話書いてくださる方があまりいないのですごくうれしいです！！ (5月3日 13時) (レス) @page33 id: f9355a1561 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - りずさん» リクエストありがとうございます！可愛いお話だなんて、嬉しくて嬉しくて(照)甘さマックス、挑戦させて頂きます！ (5月1日 0時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - キルさん» リクエストありがとうございます！そう言って頂けるなんてほんと嬉しくて励みになります……！更新頑張っちゃいます✨ (5月1日 0時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - 主様の作品甘ったるくてかわいくて大好きです！！リクエスト失礼します。ドライヤーsha ver.お願いします！甘さマックスのお話が見たいです..!これからも楽しみにしてます！ (4月30日 23時) (レス) id: 89bf85154f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑黄色野菜 | 作成日時：2024年3月25日 0時
