SnowStories

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nb side



いつもなら撮影前は嫁を愛でてる様な佐久間が撮影前に、



sk「阿部ちゃんと撮る人だれ！！！」



なんて血相変えて涼太に聞くもんで、困った顔をしてる涼太が視界の隅に映る。何してんだよ、ビビってんじゃん。一応全員分を把握してたらしい照とふっかが



iw「え、翔太と康二だろ？」
fk「そうそう。」



って顔を見合わせてる。一緒に撮ると分かった佐久間は俺の所に駆け付けて



sk「阿部ちゃんのこと、頼んだよ」



何言ってんだこいつ。いつもと違う低めのトーンで言われたから、まあ、頷いといた。しかし当の本人の阿部はクイズの勉強に熱中してて、聞こえてないらしい。



撮影が始まるといつも通りに進んでいく。が、阿部の様子がおかしい。撮ってもらった写真を観ても、殆どの写真の焦点が合っていない。カメラマンさんは「アンニュイだね〜」とか言う。いや、そういう感じじゃねえだろ。



撮影の後半戦。佐久間の言った意味がわかり始めた頃、撮影はようやく終了した。



ソファに座っていた阿部が急に立ち上がったのを見て血の気が引いた。康二も気付いていたらしく、咄嗟に阿部の手を引こうとした。でも手遅れで。


ぐらっと揺れた阿部の身体はそのまま敷いてあるカーペットに打ち付けられる。



nb「おい！！阿部！！！」
kj「阿部ちゃん！！しっかりして！！！」



倒れ込んだ阿部を抱き上げて楽屋に運び込む。なんだよ、俺だって男だから、阿部1人くらい持ち上げられるわ。つうか、俺が言えることじゃねぇけど、こいつ最近ちゃんと飯食ってんの？ってくらい軽い。それに…熱い。



既に情報は届いていたらしく、最近の冷えに耐えかねた照が持ってきてたブランケットがソファには敷かれていた。優しくソファに阿部を寝かせる。



sk「あちゃ、やっぱりダメだったか。」
ab「…ん？…さくま、…？」



ゆっくりと楽屋に入ってきた佐久間は、横たわる阿部を見るなりそう言った。おもむろに佐久間が阿部の頭を撫でていると、阿部が目を覚ました。視界に映る佐久間の名前を呼びながら、今の状況を把握してるらしい。



ab「…あ、俺、…」
sk「阿部ちゃん、やり過ぎ。」
ab「俺、今日調子良かったんだけど…」



なんでだろう、と天井を見上げて呟く阿部。佐久間がそんな阿部を撫で続けていると、



fk「…あ、俺わかったかも。」



と、ふっかが唐突に口にした。どういう事よ、それ。



fk「それじゃね？調子が良い、って。」



…うん？

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