SnowStories

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ru side



iw｢ただいま、｣
ru｢パパ、おかえり！！｣
iw｢お、ラウールただいま。｣



ガラガラと扉が開く音。



僕のパパこと酒呑童子(しゅてんどうじ)さんが帰ってきたらしい。毛先の赤い髪と、着崩された赤い着物。身体がしっかりしたパパにぎゅう、と抱き着くと香るお酒の香り。



ただいま、と大きな手で撫でられて思わず頬が緩む。



iw｢あー、今風呂入れる？｣
ru｢んーん、ママと翔太くんがさっき入っちゃってた｣
iw｢あー、茨木と玉藻前か、｣



僕のママこと、茨木童子(いばらきどうじ)さん。酒呑童子さんとは夫婦みたいな関係だし距離感だけど、どうやら一切そういった関係ではないらしい。



翔太くんこと玉藻前(たまものまえ)さん。絶世の美女と言われてるだけあって、美意識はめちゃくちゃ高い。ホントにお肌綺麗だよ。



この家の姫2人がお風呂に入っちゃ、誰も手出し出来ないんだよね。



iw｢とりあえず酒貰うわ、｣
ru｢うんっ、取って来るねっ！｣
iw｢お、さんきゅ｣



パパが大広間に出ていくと残り香からまたふわっとお酒の香り。ちょっとクラクラする。



とりあえずパパのお酒の棚を漁って、お気に入りのを持って行こうとすると、ふわっと浮いた身体。香る爽やかな匂い。…これは、、



ab｢こら、ラウール。何持ってんの、｣
ru｢うわあ！阿部ちゃんっ、！｣
ab｢はあ、…照か…やめろって言ってんのに、｣



阿部ちゃんこと、大天狗(だいてんぐ)さん。ここのおうちでは珍しい洋風な服装。とっても頭が良くて切れ者！本当はすっごく強いんだよ？



今みたいにパタパタと下で扇子を扇がれると、僕なんかは簡単に身体が浮いて何も出来なくなってしまう。



ab｢俺が持ってくから舘さんのお料理手伝ってあげて？｣
ru｢むう、…僕だって本当は成人してるもん！！｣
ab｢身体が子供ならダメ。｣
ru｢んんう！！！！｣



阿部ちゃんのいけず！って心の中で叫んだら、何だって？と睨まれた。う、怖い。



仕方なく舘さんのところに行くとお料理中。ぎゅう、と足元に抱き着くと｢いらっしゃい、｣と優しく頭を撫でられた。



dt｢今日もお手伝いに来てくれたの？｣
ru｢うんっ！｣
dt｢じゃあまず、手洗っておいで、｣



優しく声をかけてくれたのは舘さんこと大嶽丸(おおたけまる)さん。凄く強い人だけど、温厚だから滅多に怒らない。怒るとブレーカーとかすぐに落っこちちゃうから怒らせないけどね？

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