エピソード89 心操君と、 ページ48
『心操君、1回戦良かったよ〜！』
心操君「…」
無言かい。まあ、負けた後で喋ったことないやつにそんなこと言われて、
なんて返したらいいかって話だけど。
『個性“洗脳”。めっちゃ強いよね？体に負担とかないの？』
心操「別に。」
『すごいなぁ。私はリスクがあり過ぎて、まだ上手く使い熟せないんだよね…』
心操「…」
出久に投げ技を決められたからか、背中の痣が目立っていた。
体操着を脱いで貰った。私、犯罪じゃないよね？救護で男子の体見ても…
ちょっとドキドキしながらも、湿布を手に取った。
『さっき気になったんだけどさぁ…』
『自信、無くしちゃうことない？』
心操「、」
私の問いかけにノーコメントか単語しか返さなかったら彼の体が、ピクリと揺れた。
『私はよく知らないんだけど、入試の時は仮装敵を倒してくシステムで、
今回の体育祭も、そんな感じ…心操君の個性だと不利なことが多くてさ、』
湿布のフィルムを丁寧に剥がした。ひんやりとする。
心操「自信がなくならないわけないだろ、こんな恵まれない個性で。」
恵まれない、か…。
私がこれを1年前に聞いたら、殴っていたかもしれない。
だけど、今はちゃんと言える…
『でもね、心操君の個性は強いよ。ヒーロー科以外で、
トーナメントに乗れたのは心操君だけだったんだよ？たとえ、恵まれていなくても。
現にヒーロー科でも乗れてない人も半分以上いるし』
痣の出来た背中目掛けて、湿布を優しく貼った。
『私も少し前まで無個性だったんだ…お陰で多くのモノを失ったよ、両親も、希望も、
大切なことも…もっと早く個性出てたらなぁって。』
心操「お前、」
『でも、私は仲間に恵まれた。いつだって誰かが助けてくれた。だからここにいるんだ』
湿布をスリスリと貼る手を止めた。
『恵まれてないなんて思わないで。これから要求されることは、入試や体育祭とは違う。
様々な壁を与えられる。そこで心操君の原石は、輝くから、』
『もっと自信を持って』
初めてこっちを向いてくれた。
心操「お前…名前は」
『明星A』
体の動きが、ピタリと止まって動かない。やられた！
心操「出会ってから口を開けば偉そうな奴だって思ってたが…」
偉そうに思われてたの！？やばいな…人の図に乗るなんて最低だよ。
心操「だけど…」
な、なに？
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胡桃 - 励みになります！ありがとうございます^ ^ (2018年5月21日 17時) (
レス) id: c4e799fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - まじっすか！？いやっほー！テストお疲れ様でした！更新無理しない程度に頑張ってください！ (2018年5月18日 20時) (レス) id: d2d6e36cff (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - 死柄木さんいいですよね！テスト終わったのでガンガン更新していきます^ ^ (2018年5月18日 20時) (レス) id: c4e799fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - 死柄木めっちゃ好きっす。更新楽しみにしてまする。 (2018年5月14日 19時) (レス) id: d2d6e36cff (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - はらさん» 教えてくださってありがとうございます！ (2018年5月4日 20時) (レス) id: 7378d7060e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡桃 | 作成日時：2018年5月3日 21時
