エピソード85 レクリエーション種目 ページ44
学食を鱈腹食べた後、レクリエーション種目が開始する。
私が体育祭に出場出来ない理由の1つに、私の個性を敵に目をつけられないようにする為でもある。
元々この個性は敵から授かったことを知ったら、相澤先生は何て言うだろう…？
とまあ、そんなことは置いといて。
いくら個性を使わずに出れるレク種目であっても出場許可が降りない。
スタジアムで1人ぽつりと観戦することにした。
《最終種目発表の前に、予選落ちのみんなへ朗報だ！
あくまで体育祭！ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してあんのさ！
本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ…ん？ありゃ？》
視線が集まる先にいたのは…私のよく知ってるA組の女子達だった。
『え！？』
《なーにやってんだ、どーしたA組！どんなサービスだ！？》
橙のチアダンサーの衣装に身を扮し、ポンポンを両手に持つ姿は…
『天使。』
無意識にスマホをポケットから取り出し、立ち上がったままカメラを連写させていた。
？「やぁ、」
急に目の前の視界が覆われ、黒に染まる。どこか懐かしい低くて蕩けそうに甘い声。
そして以前にもあった目隠し。
『久しぶり…』
5指に触れないように慎重に彼のその手を目から外した。間違いない。私の恩人…
『死柄木さん』
振り返れば、案の定死柄木さんがいた。
色素の薄い水色の髪に、外の世界を知らなそうなくらい血色の悪い肌。
骨張った大きな手は、ゾッとするほど冷たかった。そして私が好きな…
死柄木「せーかい、よくわかったね。」
深紅の瞳が、私を映しては目を細めて笑った。
以前のUSJとは違う、恐ろしい声ではなく、優しい声。私と彼が出会った時と同じ声。
『ここにいて大丈夫？』
死柄木「ああ、すぐそこに黒霧いるし。」
『そっか』
何となく席に着いた。
死柄木「それにしても…なんでA出てないの？」
少し怒り気味の死柄木さんは、隣にどかっと座った。
拗ねた子供みたいで可愛い。
口に出したら睨まれるんだろうな、なんて思いながら胸の内にしまった。
『先生に、大きなリスクのある個性なのに使い熟せてないのは危険だからって。
それに、敵に目をつけられたら危ないってさー』
私も死柄木さんの怒り気味な口調に便乗する。
『確かに先生の言うことは、事実だと思うよ？でも…』
私のフォーカスは、恥ずかしいながらも、楽しそうに踊るクラスの女子に吸い寄せられる。
『ほんとは、みんなと出たかったなって』
エピソード86 無常なこの世界で→←エピソード84 お昼休憩。。
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胡桃 - 励みになります！ありがとうございます^ ^ (2018年5月21日 17時) (
レス) id: c4e799fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - まじっすか！？いやっほー！テストお疲れ様でした！更新無理しない程度に頑張ってください！ (2018年5月18日 20時) (レス) id: d2d6e36cff (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - 死柄木さんいいですよね！テスト終わったのでガンガン更新していきます^ ^ (2018年5月18日 20時) (レス) id: c4e799fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
さばちゃん@かんづめ(プロフ) - 死柄木めっちゃ好きっす。更新楽しみにしてまする。 (2018年5月14日 19時) (レス) id: d2d6e36cff (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - はらさん» 教えてくださってありがとうございます！ (2018年5月4日 20時) (レス) id: 7378d7060e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡桃 | 作成日時：2018年5月3日 21時
