45#さあ、はじめよう ページ47
.
翌日の朝、
別れ際に、藤様にはこの本丸のコード番号を受け取った。
「いつでも、帰って来て」
『はい』
「枸杞。君はその名の通り、“誠実”な女性だ。……堀川と仲良く本丸を運営してくれ」
『はい、歌仙様』
「では、宜しいでしょうか。枸杞様、堀川様」
『「はい」』
このゲートを越えれば、私は一本丸の主。
未遂だとはいえ、敵側に加担していた。その罪が、返上できるように。
いい審神者になろう。
「何処を基準に正義なんだろうね」
『え?』
「何でもないよ」
国広はそう言って私の手を引いて、ゲートへと飛び込んだ。
目映い光が収まると、其処はもう藤様の本丸ではなかった。
「此処からはこんのすけにナビゲートを任せます。初期刀については、如何致しましょうか?」
「いらないです。枸杞には僕がいるので」
『国広……』
「……ですよね。その方が私もいいと思います」
片喰さんはそう言って微笑むと、一礼をして政府へと帰って行った。
『……取り敢えず、中入ってみよう』
「うん」
藤様の本丸は増築をしていたから随分と大きかったけれど、この本丸はまだ刀がいないから小さい。
母屋とは別に離れがあり、其処がどうやら私の居住スペースの様だった。
「執務室と私室は別っぽいね」
『そうだね』
「僕、母屋では寝起きしないからね」
『え?』
「何を今更。ずっと同じ部屋で寝起きしてたのに、審神者になった途端、僕と離れるの?」
『……確かに』
「それに、枸杞は僕のお嫁さんになる約束したんだから、これぐらいのこと、当たり前だよね……?」
はい、としか言いようがなかった。
今日から、審神者になります。
To be continued……
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：化野燎 | 作成日時：2017年11月5日 0時
