花に囀ずる。【刀剣乱舞】 (ページ43)

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41#闇は去るものページ43

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手続きが終わった上、研修が終わり次第ということで、私は今日も藤様の本丸にいた。

「“堀川さん”って練度どのくらいなんですかー?」

「どのくらいだと思う?」

「えーっと……きっと60は越えてますよね」

「そうだね、それは合ってるかな」

国広は私の部屋の前で煙管を咥えながら鯰尾様と話していた。
いつものように黒い着流しを纏い、縁側で足を放り出していた。

「枸杞さん、堀川さんってどのくらいなんです?」

『国広の練度ですか? それなら上限手前かと』

「えぇ!? だから強いんですね……」

『恐らく、それだけでは無いですね。正直な所、未だ瘴気の除去を試みています。まだ国広の身体は魔に蝕まれたままなのです』

瘴気を浄化しきるにはもう少しかかる。
出来れば本丸就任までにはどうにかしたいものだ。

「枸杞、それはちょっと大袈裟」

『心配されなくても平気ですよ、鯰尾様。経過は順調ですし、瘴気を取り祓った所で彼はもっと強くなれますから』

「お二人って本当に仲良いですよね。お互い無くてはならない存在って感じで!」

鯰尾様はそう言うとにっこりと笑った。
私と国広は顔を見合わせてキョトンとした。

「あれ、俺何かおかしなこと言いました?」

「別に。……枸杞、書類は終わったの?」

『終わってるよ。後は藤様に持って行くだけ』

「そう。じゃあこの後空く?」

『多分』

「なら手合わせしよう。鯰尾くんも来ます?」

「勿論です」

動きやすい様に袴に着替え、藤様の元にレポートを提出し、道場へと足を運ぶと幾人かが手合わせをしていた。

「お、枸杞じゃないか!」

『鶴丸様、こんにちは』

「相方と手合わせか?」

『そうです』

鶴丸様と話していると、鯰尾様が脇差の木刀を持って此方へとやって来た。

「脇差でいいんですよね?」

『はい』

「審判頼みます」

「はーい」

こうして二人で向き合うのは久し振りだ。

「始め!」

「やぁぁぁぁ!」

『!』

少し感覚が鈍っている気がした。
嗚呼、これは彼が私の中にいないせいか……。

『ふっ……!』

「っと……もっと鈍いと思ってたよ。案外行けそう?」

『そこそこ、ね……っ!』

(たいしょー、道場で枸杞たちが飛んでるー)
(飛んでる!?)