02#瘴気の在処 ページ4
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審神者が呼びに言った織田の刀と石切丸、それから遅れて乱藤四郎がやって来た。
歌仙兼定は乱藤四郎に着物の中の呪具について話すと、二つ返事で「分かった」と言い、「ちょっと、ごめんね」と言われ、私の着物の裾を開いて呪具を回収した。
「後で歌仙さんたちが聞くと思うけど、何で持ってるの?」
『私に教育を施して下さった教官様に持たされたんです。私はいらないと言ったのですが……』
「政府ってぶらっくなところ多いよね」
乱藤四郎はそう言うと、「此処の本丸の担当官も一年前まで最悪だったんだから」と愚痴を溢し、まあそういうこともあるよね。
と言われている感じだった。
呪具を取り除かれても、白札は害あるものとは成されない。術を扱えるのなら誰でも使うのだから。
「はい。全部取り除いたよ」
「御苦労様です。乱。して……神無月。お話を伺っても?」
『はい……。お恥ずかしい話にはなってしまうのですが、全てお話致します』
同じように全てを話し終えると、ジッと石切丸に見つめられ、少しビクッとした。
私の中の“堀川国広”は堕ちた刀だ。
少なからず穢れを纏っているものだから、神刀は敏感かもしれない。
「その所為で、罪悪感を胸で燻らせていたのかい?」
『はい。教官様が怖くて、断りきれなかった私の落ち度で御座います』
「……ふむ。主、大丈夫そうだ」
「そうですか。ブラック教習所も摘発されてきてはいるとは聞きますが、やはり減りませんか」
『そのようですね。あ、藤様。此方、手土産に』
そう言って差し出したのは生まれ故郷の菓子。
適当に見繕っておいたのだ。
これには何も仕組んではいない。食べ物に罪はない。
「お気遣い有難う御座います。皆に配っておきます。話が逸れましたが、あなたの世話に当たる織田の刀たちです」
「呪具を持ち込んだ娘など……何て穢らわしい」
「宗三、止せ。……すまないな、見習い。俺は薬研藤四郎だ。宜しく頼むぜ」
「へし切長谷部という。手加減はするつもりないからな。確と学べ、見習い」
『戦で御忙しい中、お手を煩わせます』
宗三左文字には嫌われたらしい。まあ、いいだろう。
皮肉を言うのがこの刀だ。
「大半は薬研が付いてくれることになっているので。薬研、案内を頼みますよ」
「あぁ。任されたぜ、大将」
(掴み所の無い小娘だ)
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作者名：化野燎 | 作成日時：2017年11月5日 0時
