16#案内先の対戦 ページ18
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今日は非番らしい乱藤四郎。
彼に着物を着せ、髪をやってあげるととても喜ばれた。
「器用だね」
『えぇ、まあ』
「あら……乱、良かったですね」
「ふふっ、主さん、僕可愛い?」
「えぇ、勿論」
審神者はそう言ってにっこりと笑う。
私の中で国広はケタケタと笑っているけれども。
その時____
「神無月さん。明日は戦場へ同行してもらおうかと、思っているのですが……どうです? 事前調査書には戦場同行希望、と書かれていたので、どうかと思ったのですが」
『!! いえ、勿論やらせて頂けるのならば』
「戦闘系、という方も増えていますからね。貴女もその一人になるのでしょう」
『恐らくは』
戦場への同行、ね。
術を思う存分使えるいい機会だ。
それに、合図すれば遡行軍も____。
「前線への配備を希望されていますものね。調査書を見て、貴女の技能は戦場に立つには、充分な力量があることを確認しました。けれど、貴女を守る刀は付けますからね」
『お世話をかけます』
「お世話するのが私の役目だもの。どんどん頼って頂戴」
『はい』
――戦場、ね。意図的に迷子にでもなってみる?
――――国広、出てくるつもりじゃないでしょうね。
――え、ダメ?
――――何があるか分からないもの。力を貸してくれればそれでいいの。
――はいはい、分かったよ。
『乱様、私手合わせが見てみたいのですが』
「明日は手合わせの方だもんね。うん、分かった。こっちだよー」
『審神者様、失礼致します』
「はい」
私は粟田口部屋を後にし、道場へと向かった。
其処では数人の男士が打ち合っていて、何人かは観戦をしていた。
「どう?」
『間近で見るとやはり華麗ですね』
「神無月さんは術士、なんだっけ。刀って使ったりはしないの?」
『えぇ、使えないことはありませんよ。仕込まれましたから』
そう言うと、鶴丸国永と打ち合っていた和泉守が近付いてきた。
「お、じゃあ俺とやってみねぇか。見習い」
「えー、和泉守さんがやるの? 怪我させちゃダメだからね!」
「危なくなったら俺が止める。それならいいだろ、乱」
「薬研が言うなら」
――補助、でいいんでしょ。
――――相手が和泉守なら筋がバレる可能性があるからね。
――分かったよ。
『お相手、
(見習いと和泉守がやり合うってさ!)
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作者名：化野燎 | 作成日時：2017年11月5日 0時
