花に囀ずる。【刀剣乱舞】 (ページ13)

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11#苺の瓶詰めページ13

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昼餉の後、審神者様と掛け合い、厨で苺ジャムを作ることになった。

厨の番人たち(歌仙兼定、燭台切光忠、堀川国広)は当然参加していて、興味津々で私の手元を見ている。

「蔕(へた)を外していけばいいんだね?」

『はい、全て』

国広が先程からぶつくさと言っているが、構っているとポロっと口に出してしまいそうで、私は返答をしなかった。

すると、国広は私を「枸杞」と呼んだ。
お前、ではなく。

――――何。

――何で無視するの。

――――いちいち構ってたら口に出してしまいそうなんだもの。

――……必要以上に此処の刀剣たちと関わるお前がいけないんだよ。

――――仕方がないでしょう。素っ気なくして警戒心持たれても動きずらいんだから。

「神無月さん?」

『……』

「あの、大丈夫ですか?」

『え、あ……すみません。少しボーッとしていて。ダメですね。研修中なのだからシャキッとしなくては』

――――国広。

――ふん……。僕のせいじゃないから。

――――この……。今夜締める。

――さあ? 僕にそもそも勝てるの? 丸め込まれるのが大体のオチだと思うけど。

『っ……。砂糖は使わなくても実が甘そうなので自然のままで』

「時間が掛かりそうだね」

『そうですね。しばらくは煮詰めるので。あの、何か使っていない蓋付きの瓶とかってありますか』

「あぁ、あるよ」

『瓶に詰めて保存するので、ジャムを入れる前に煮沸消毒をしたいんです』

「じゃあ、しとくよ」

しばらく煮詰め、冷まして、出来上がる頃には日が傾き始めていた。
今晩の厨当番がいそいそと準備も始めていた。

『出来ました』

「わぁ……すごく綺麗!」

「明日のおやつにでも使ってみるよ」

『はい、是非』

警戒されないよう、仲良くなることは出来たのではないだろうか。
否、警戒は怠ってはならない。

「神無月さん」

『審神者様』

「ふふっ、ジャム出来たんですね」

『はい。作り方を書き出しておいたので、今後作ることがあれば皆さん作れると思います』

「そう」

(夕餉は乱が隣につきたいと言っていたのですが)
(私は構いませんよ)