検索窓
今日:21 hit、昨日:12 hit、合計:24,606 hit

2-6 ページ7

.









9月初旬

阪神甲子園球場にて

阪神タイガース対読売ジャイアンツの3連戦が開催。

Aは甲子園球場前にいた。

スマホを片手にキョロキョロとあたりを見回し、誰かを探している。

すると、前方から大きな声で自分の名前を呼ぶ人影が見えた。





「Aちゃん!こっちこっち!」





大きく手を前後に振り、ニコニコと笑顔の女性。

年齢は50代半ばくらいだろうか?

ロングヘアにデニムパンツ、白のスニーカー姿。

タイガースのユニフォームをシャツの上から羽織り

えらく堂々とした出立ちだ。

そしてそのユニフォームには

道ゆく人の目を惹きすぎるほどの

ド派手な刺繍が施されている。

背番号は2。「UMENO」と大きく描かれていた。





「おばさん!

 あんま大きい声で呼ばんとって!」





もう、恥ずかしい…ぶつぶつとAは呟く。





「だって1年ぶりの甲子園やで!?

 楽しみすぎて夕べ眠れんかったわ〜!」





Aの前で少女のようにはしゃいでいるのは

美子(よしこ)という、父方の叔母にあたる女性。

美子叔母さんはAの父の妹で

母親のいないAを実の娘のように可愛がってくれている人だ。





「あんたはええよなー!

 あの球児と家が近所やし、現役選手と仲ええし!」



「も〜…またその話?

 仕方ないやん、家庭教師やねんもん。」





母親、というよりは友達に近いかもしれない。

会えばいつも羨ましがり、

最終的には私にも紹介してくれ!とせがまれる。

とはいえ、本当に紹介しようか?

と話を持っていくと





『ええわそんなん!叔母さん恥ずかしいし!』





と、本気で恥ずかしがり誘いを断るという。

結局どっちなんだ、と毎回Aを困らせる叔母。



今日のチケットはそんな叔母が用意してくれた。





「あんた、ちょっと先に入ってて?

 グッズショップで先に買い物してくるわ!」





チケットを1枚Aに手渡し

美子叔母は球場前のショップへ足早に向かって行った。





(もう!ほんま自由奔放な人やわ!)





幸いにも球場はオープンしており

試合が始まるまでかなりの時間があるので

Aは言われた通り、球場内で叔母を待つことにした。









.

2-7→←2-5



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
196人がお気に入り
設定タグ:坂本勇人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年9月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。