ハッピーエンドになるためにー2ー (ページ40)

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玄関にもたれかかり、時計を何度も確認する坂本。

「まだ〜？」

Aの支度を待ちながら

まだかまだかと何度も声をかけては

姿見に移る自分を見る。

細幅、メタルフレームでラウンドタイプのメガネ

黒のダウンジャケット

白のパンツに黒のスニーカー。

帽子を被るかどうかは、まだ迷っている。

(それでもイケてるわ、俺。)

ふふん、と映し出された自分の姿に見惚れていると

タイミングよくAがやって来た。

「お待たせしました！
すみません、ピアスがなかなか通らなくって…。」

額に汗を一筋流し、申し訳なさそうな表情で

スニーカーを履く。

「…パーカーにデニムて。
　いつものスタイルやん。
　もっとおしゃれせんの？」

「たくさん歩くと思って
　あえてのいつも通りです！」

それでもおニューなんですよ？と

おろしたてのまっさらなスニーカーを

坂本にドヤっと見せる。

「そこドヤ顔するとこちゃうやろ。」

「よし！行きましょう！」

坂本のツッコミもAの元気の良さの前では宙に消える。

2人は揃って、坂本宅を後にした。

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