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2-36 -your turn- ページ39

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あの坂本勇人が私の作った料理を食べている。

こんな幸せが実際にあって良いのだろうか。

今この目の前で広がっている世界は

自身の願望が表れた夢なんじゃないか。



ぎゅうと膝をつねっても痛くない。

ああ、やはり夢なんだ。

大きな茶碗にいっぱいの白ごはんを

うまいうまいと口へ掻き込む坂本。



「おかわりある?」

「は、はい!ただいま!」



さっきまで普通に食事の用意してたけど

平然を装ってた風で実は心臓が爆裂寸前だ。



背後に立ってたのはほんまに驚いたし

なんなら鼻歌も聴かれてて恥ずかしすぎる。

しかもどこを見たらいいのかわからんくて

目線がめっちゃ泳ぐし脇汗も手汗も足汗もやばい。

夢の中やのにこんなにテンパるもんなの?



『Aちゃんでないとあかん』



なんで勇斗さんはあんなことを言ったんだろう。

本音を言えば、女としてこんな嬉しいことはない。

でも…私よりもステキな人は世の中にごまんといる。

坂本さんに釣り合うような容姿も知性も



私には…無い。



勇斗さんや坂本さんの期待に応えることは

いつになっても、きっとできそうにない。





「A?食わんの?」

「え?あ、食べます大丈夫です!」

「なあなあ、どこ行きたい?なんかやりたいことある?」





やりたいこと、というか…

坂本さんが目の前にいるだけで

それだけで充分です!

…とは言えず。





「…あ。」



そういえば。



「ん?なんか思いついた?」



食後のお茶を飲みながら

坂本さんはにっこりと私に問いかける。



「行ってみたい所があって…。」



いつか東京へ行くことがあるなら

一度でいいから行ってみたかった場所がある。





「…というわけなんですけど…良いですか?」

「ほな、時間はあるし電車でのんびり行くか。
クルマのが便利やけど、面白みに欠ける。」



と、謎の坂本理論で電車移動することに決定した。





……

………たぶん、てゆーか絶対目立つよね。

そんな私の心配をよそに

彼は鼻歌を歌いながら身支度を整えるため

自室へと向かって行った。









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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年9月1日 1時

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