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「今まで1番近くでアイツを見てきたから
俺なりに考えて出した結論やねん。
きっとアイツはAちゃんでないとアカン。」
「と、とにかく頭を上げてください！困ります！」
「いーや、Aちゃんがうんって言うてくれるまで
アタマ上げられへん。」
下を向いたまま勇斗は微動だにしない。
Aは困り果てたように眉を寄せてじっと勇斗を見る。
ふー！と１つ、大きく息を吐くと
「…わかりました…もう頭を上げてください、ね？」
そう勇斗に優しく言葉をかけた。
Aの声を聞いてぱっと顔を上げた勇斗は
ホッとしたような表情を浮かべている。
「良かった…ありがとう、Aちゃん。」
ジャケットの上着を羽織り
玄関へと向かいながらウキウキと話す勇斗。
「アイツ昨日、ずっとAちゃんから離れへんし
いつ言おうか迷ってて…。
やっとおとんとおかん、勇太兄ちゃんに報告できる。
…ほんまにありがとう、Aちゃん。」
気をつけていってらっしゃい、と勇斗を見送るA。
勇斗の嬉しそうな顔とは裏腹に
彼の言葉は、Aの胸に
チクリと小さな棘を残す。
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作者名：おか(´･ω･`) | 作成日時：2021年9月1日 1時
