2-3 -sakamoto's turn- ページ4
※ペナントレース後半戦開始前のお話です
「…ちょっと。」
「なんや？」
美味しそうに缶ビールを飲むおっさん。
「亀さん今回呼ばれてないっしょ」
今、俺は球児さん主催のホームパーティーに参加している。
球児さんがご好意で金メダルメンバーを呼んでくださったのだ。
俺と梅ちゃん、菊ちゃんと哲人はいつものメンバー。
今回は鈴木誠也・村上宗隆・森下暢仁の3人が初参加。
そしてなぜか、目の前でうまそうにビールを飲む亀井善行がいる。
「俺がおらんとみんなおもろないやろ〜？」
すこぶるご機嫌なおっさん。
どこからか情報を仕入れてきた亀さんは
当然の如くこの場に加わっている。
まあ、その情報源が誰かは見当がついてるんやが…。
「亀井さん！お呼びしてよかった！」
思った通り、犯人はA。
「んー！今日も可愛いなぁ！」
亀さんはガシガシとAの頭を撫でくりまわす。
グシャグシャになった髪を直しながら
「可愛くないですよ！」
と答えるA。
「いや！可愛いっす！」
後ろから誠也がAをべた褒めすると
宗隆も乗っかってきた。
「勇人さん！今までのBBQに俺も呼んで欲しかった！」
「いやお前の連絡先知らんし。お前の嫁は哲人やろ。」
その哲人はというと、Aの側から離れようとしない。
コイツこないだから妙に突っかかってくると思ったらそーいうことか。
「お前らちょっとは手伝え！」
言いながら球児さんが沢山の肉をグリルに並べた。
美味そうな匂いを立ち上らせながら
みんなが持ち寄った高級な肉が焼けていく。
「さて、みんな飲み物は持ったかー？
ほな坂本くん、挨拶いっとこか！」
「え！俺すか？」
球児さんに挨拶しろと振られ
その場にいる全員の視線が俺の方を向く。
「あったりまえやん！あの大舞台で
全員の心を一つにしたその力は
誰もが認める素晴らしいものがある。
自信を持ってドーンといったれぃ！」
球児さんの言葉にチラとAを見ると
期待の眼差しで俺を見つめている。
Aちゃんやめなさい。
そんな目で俺を見ると……
キミの隣にいる哲人が俺を睨んでくるんや。
ふぅ、とひと息ついた俺は缶ビールを掲げた。
「…ほな皆さん、大変お疲れさまでした。
とはいえ後半戦がすぐにスタートします。
これからそれぞれのチームでの対戦になりますが
残りのシーズンも全力でプレーしましょう！
乾杯！」
「かんぱーい！」
.
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作者名：おか(´･ω･`) | 作成日時：2021年9月1日 1時
