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坂本の弟、勇斗に連れられて

Aは一台の自動車の前にたどり着く。



「どうぞ、乗ってください。」



優斗が後部座席のドアを開けたとたん



「A!逢いたかった!」

「坂本さん!?」



そこにはAに逢いたくて仕方なかった

坂本が居た。

いつも以上の笑顔でAを出迎えてくれる。

坂本はAの手を掴み、少し強引に車内へ引き込んだ。

そしてそのまま強く抱きしめた。

ぐりぐりと頬を押し付け、わしわしと髪を撫でる。



「い、痛いです坂本さん!」

「あ!ごめん!大丈夫か?」



ぱっとお互いの体が離れると

坂本がぐりぐりと押しつけたAの頬が

ピンク色に変わっている。

親指で彼女の頬に触れると

Aは恥ずかしそうに目を逸らす。



「…あのさぁ、そーいうのは他所でやってくれへんかな。」



勇斗は運転席に座りながら

ルームミラー越しに呆れた様子だった。

イヒヒとイタズラっぽく笑う坂本から

慌てて距離をとるA。

ぐしゃっと乱された髪を直し、坂本と勇斗の2人を交互に見る。



「あの…。」

「あ、そか。俺の弟。
 代わりにいろいろ動いてもらってる。」

「坂本勇斗です。初めまして。」



目を丸くして、どおりでよく似ているはずだと納得するA。



「言うた通り、おもろい子やろ?」

「ほんま小動物みたいやな。
 迎え待ってる時なんか、1人で百面相してたで。」

「ちょ、私のことどういう風に話したんですか!
 ほんまにもうっ…。」



ふくれっ面で怒ったそぶりを見せる。



「悪いように言うてないで?なぁ?」



Aの頭をぽんと撫で、勇斗に同意を求める目線を送る坂本。

勇斗はうんうんと頷き



「芯の通った、思いやりのある人やって聞いてますよ。」

「そ、それならいいんですけど…。」



悪いように言われておらず少しホッとする。

隣の坂本を見るとニコニコと上機嫌な様子だ。

Aの手を握ったまま離さず、べったりくっついてくる。



「さて、Aとも無事に合流できたし
 そろそろ買い出しに行こか。」

「了解〜。」


坂本に言われた勇斗はギアをドライブに入れ

ゆっくりと車を発進させる。

Aにとって

ドキドキの2泊3日がスタートすることになる。










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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年9月1日 1時

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