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12月24日

Aは羽田空港にいた。

人生で初めて地元を出て他府県へ。

坂本に呼ばれ、2泊3日の東京滞在となる。



「…人が多い…。」



平日の朝という事もあり

周りはスーツ姿の会社員らしき人達が多く

皆、人混みを縫うように忙しなく行き交っている。

使い慣れないスーツケースを引き

Aは空港の出口へ向かおうとした。



………

………………が、



(ここはどこ??)



どうやら迷子になったようだ。

あっちへ行ったりこっちへ行ったりと

ウロウロとした結果、展望デッキにたどり着く。



「なんかもう疲れた〜!」



関西からの移動時間は大したことはないのだが

朝早くに起きて最寄りの空港まで移動、

初めての飛行機に少し怖気付き、

慣れない人の多さに気疲れをしてしまっている。



荷物を傍に置き、ふと見た大きな窓。

その窓の向こうには

今まで見たことのない景色が広がっていた。

東京湾を背景に飛行機の離着陸が何機も行われており

夜には滑走路の光と夜景の灯りが合わさって

とても綺麗だという。



「すっ…ご!広っ!でっか!」



あまりの迫力に思わず独り言が出てしまったが

呑気に感動している場合じゃない。



「坂本さんに連絡せな…。」



スマホをポケットから出した途端

辺りに着信音が鳴り響いた。

慌てて電話に出ると、案の定シビレを切らした坂本からだった。



「今どこにおんのや。」

「あ、えと…迷子になりました…。
 ここはどこなんでしょう。」

「迷子!?」



坂本の後ろから坂本以外のクスクスと笑う声が聞こえる。



「ほんまお前は…。
 とりあえず周りに何があるか教えて。
 そこまで迎えに行くから。」



怒っているかと思われたが、声の調子で笑っている事がわかった。

今いる場所を伝えて電話を切る。



どうやら坂本の他に誰かいたようだ。

一体誰なんだろう、と疑問に思いながらも

はるはこの2泊3日の滞在に

期待と不安で胸を膨らませていた。










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作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年9月1日 1時

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